果樹栽培の基本 「開心自然形」の仕立て方

今回は果樹栽培の基本形「開心自然形」について語っていくよ。
開心自然形とは


「開心自然形」は果樹栽培の基礎ともいえる仕立て方だよ。




開心自然形は3本~4本の骨格枝を等間隔の角度で育成・展開していく仕立て方です。
●木の樹勢がコントロールしやすく、幅広い品目・品種に対応できること。
●果実品質が安定すること
が魅力です。

開心自然形の仕立て方

今回はカキの鉢植え栽培で「開心自然形」の仕立て方を実演していくよ!
今回は仕立て方にスポットを当てているから、植え付け作業については割愛!
①植え付け(春植えがおススメ)


②誘引開始(枝がある程度伸び始めたら)


枝がある程度伸び始めたら、枝の誘引していこう!
まずは難しく考えず、苗木から発生した枝の角度にだけ注意を向けてみよう。
果樹は放っておくと、↓↓みたいにどんどん上方向に枝が強く伸びるから、発生角度を寝かせる誘引をしていくよ!



今回は鉢植え栽培だからリング支柱を使って誘引をしているけれど、誘引できれば、支柱はなんでもOK!




8月頃になると枝葉もだいぶ立派になるね!
枝が柔らかい時期から誘引しておけば、枝が硬くなる8月頃には誘引した角度で固定できているはずだから、リング支柱は取っちゃうよ。
(枝が硬くなってからの誘引はそうもいきません。枝が柔らかい時期に誘引することが大切です。)


1年間でだいぶ成長したね。
落葉後1か月以上たったら、せん定をしていくよ!

ということで、早速せん定していくよ。
せん定と聞くと、難しいイメージを持つ人が多いかもだけど、安心して!
1つ1つの基本はとてもシンプルだから。

せん定で大切なのは木の骨格を意識すること!
今回は骨格を4本育成していこうと思うから、まず育成する骨格を決めよう。
↓↓みたいなイメージ!


開心自然形は3~4本の枝を骨格として育成する仕立て方だから、木の幹からは4本以上、枝がでていても邪魔なだけなんだ。
ということで、骨格以外の枝を落としていくよ。


ちなみに、
↓↓みたいな小枝は、木の骨格の邪魔にならなければ、残しておくといいよ。
来年の葉っぱの確保に役立つからね。


骨格が決まったら、次はそれぞれの骨格をせん定していくよ。
ここもとってもシンプル!
まずは二股・三又などに分かれている先端を1本に決めていくんだ。
先端を1つに決めてあげないと、枝がどんどん先わかれしていって、木の骨格の流れが分からなくなっちゃうからね。



あとは枝同士が重なり合いそうな枝を間引いていくよ。
↓↓みたいなやつ!

枝から発生した枝同士が込み合っている・・・


次は骨格の先端を切り返せばOK!
枝を切り返すことで来年も元気な枝が出るように促すよ!



最後に切り口の保護を行えば、せん定完了!
念のため、トップジンMペーストとおススメせん定ばさみのリンクを載せとくね。




かなり枝がすっきりしたね。
ちょっと切り過ぎじゃない?と感じるかもしれないけど大丈夫!
残しておいた枝のそれぞれの芽からまた枝葉が発生するから、来年は今年以上に枝葉が茂ることになるんだ。



今回は鉢植え栽培なので、植え付け2年目にはおおむね樹形が完成するけれど、地植え栽培の場合も基本は同じ!
①植え付け1年目と同じように枝の誘引を継続し、木の骨格を育成
②せん定で木の骨格を乱す枝を間引き、骨格の先端を切り返し、骨格の伸長を促す。
これを継続していこう!
ちなみに鉢植え栽培も植え付け4年目になると、↓みたいに立派な木に成長するよ!




ということで今回は「開心自然形の仕立て方」についてお話ししました。
ブドウやキウイといった「つる性の果樹」以外は活用できる、基本となる仕立て方だから、ぜひ活用してみてね!
