果樹栽培 おススメの窒素肥料について

今回は肥料成分:窒素(N)の応用編!
「単肥窒素肥料とおススメの窒素肥料」について語っていくよ!
ちょっと難しい話が出てくるかもだけど、理屈を知っていると栽培管理が変わるかも!


窒素成分だけを含んだ単肥窒素肥料。
追肥で使用することが多いね。
代表的なものは↓の3種類かな。
①硝安:硝酸アンモニア(NH4NO3)
硝酸性窒素とアンモニア性窒素を同量含む窒素肥料。
水溶性で溶解性が高く、植物が最も吸収しやすい硝酸態窒素を含むため、速効性が高い窒素肥料です。
速攻性が高い反面、流亡しやすいため、元肥ではなく、スポット的に窒素を効かせたい際に追肥として用いられます。
即効性&肥効が高いため、多量施肥すると、肥料焼けなどのリスクがあります。
②硫安:硫酸アンモニア(NH4)2SO4
全量アンモニア性窒素の窒素肥料です。
アンモニア態窒素は硝酸態窒素に次いで吸収効率が良く、即効性があります。
アンモニア態窒素はプラス荷電のため、土壌吸着性が高く、マイナス荷電の硝酸態窒素よりも肥効が長い特徴があります。
※土壌は基本的にマイナス電荷のため、プラス電荷の物質の方が吸着しやすいです。
③尿素:尿素CO(NH2)2
尿素は土壌でアンモニア態窒素へ分解され、硝酸態窒素へ分解されます。
そのため、①②といった硝酸態窒素・アンモニア態窒素の単肥窒素肥料よりも即効性は低いですが、尿素からアンモニア態窒素への分解は数日程度(気温によります。)で進行するため、即効性の窒素肥料です。

単肥窒素肥料は即効性が高く、肥効も高いものが多いね。
果樹栽培は基本的に【元肥を中心に、じっくり肥料を効かせていく】考え方が主流だから、あまり単肥窒素肥料は使わないかな。
個人的には追肥でスポットで窒素を効かせたいときはS604を使うことが多いね。
果樹栽培 おススメ肥料

個人的に栽培管理で使用している肥料を紹介するね。
元肥:8-8-8&牛糞堆肥
追肥:S604
ブドウの追肥:ノルチッソ

元肥は8-8-8を使用することが多いかな。
もっとも一般的な化成肥料だと思うけれど、使いやすいから好き!
牛糞堆肥とあわせて、冬季に元肥として使ってるね。

追肥は即効性の硝酸態窒素をあげたいから、S604を使うことが多いかな。
S604は野菜用で使用することが多いイメージだけど、果樹にもおススメ!
追肥で迷ったら、S604で大体何とかなると思ってるよ。

ブドウの追肥はノルチッソ!
即効性の硝酸態窒素とブドウで不足しがちなカルシウムとマグネシウムが含まれた肥料!
ブドウ栽培の追肥ではノルチッソを使うことがほとんどだね。

あくまでもやくも果樹研究所でよく使ってるだけやけど、良かったら参考にしてみてな。
おススメの各肥料はホームセンターやJAショップで売ってるで。
売ってないときは取り寄せてもらえるはずや!
