薬剤散布の基礎知識【混用散布】について

yakumokaju

今回は薬剤散布で重要な「混用散布」について語っていくよ!

注意が必要な混用散布。

ちょっと難しい話かもしれないけれど、知っていると薬剤散布の効率化・効果向上を期待できるよ。

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混用散布とは

複数の農薬を混ぜ合わせて使用すること。

【殺菌剤+殺虫剤】といった風に、同時防除できるため、つらい薬剤散布の負担を減らすことができます。

しかし、農薬の混合は「効果・薬害・残留性・安全性」が把握しきれないため、やるなら「自己責任で」とされているのが実情です。

防除が難しいハダニでは、【殺ダニ剤】+【殺ダニ剤】の混用をする方がいるね。

複数薬剤で同時アプローチすることで、死亡率を高めようってことだね。

近所のおっちゃん
近所のおっちゃん

農薬の混用は自己責任やから、しっかり確認してから、やるんやで。

ハダニ対策なら、個人的には、殺ダニ剤の混用やなくて、展着剤をフーモンに変えてみるのもおススメやな。

【フーモン】

展着剤に【殺虫・殺菌】の機能が付与された製品。

とくに気門封鎖剤としての役割が秀逸。

都度の薬剤散布にハダニ類対策の効果を付与できる。

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混ぜると危険な農薬とその確認方法について

代表的なものは「石灰硫黄合剤」と「ボルドー液」です。

混ぜ合わせると有効成分が分解してしまい、効果が大きく落ちる&薬害の発生リスクが高いです。

混用できない農薬は、期間をしっかり空けずに個別散布する「近接散布」も要注意です。

2週間程度期間を空ければ問題ない場合、1か月以上期間を空けなければならない場合など、農薬の相性によって様々です

混用しても大丈夫かどうかは混用事例を確認・参考にするのが基本です。

混用事例は、

①【農薬名】+【混用】のキーワードで検索・農薬メーカーの資料をチェック

②農家さんであれば、JA・農業普及部へ相談

すれば、混用事例を確認できます。

混用事例を確認せずに、個人判断で混用するのは絶対NG!

植物への薬害だけでなく、自分の身を守るためにも、必ず確認すること!

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薬害リスクを下げる混用のポイント

農薬は【有効成分】と【補助剤】で構成されます。

混用による薬害被害の多くは、【混用で薬液内の補助剤の量や種類が多くなり、葉っぱのワックス層・クチクラ層が傷つく】ことによって発生します。

農薬のタイプによって補助剤の量が違うから、【補助剤の多い農薬どうしの混用は避けた方が良い】ってことだね。

薬害リスクを下げる農薬の組み合わせ

補助剤は殺虫剤・殺ダニ剤で多く、剤型では乳剤で多いです。

そのため、基本的に、

【乳剤+乳剤】の組み合わせはNG。

【殺虫剤+殺虫剤】の組み合わせは注意が必要です。

混用の点から見る剤型

  1. フロアブル剤:補助剤の量が少ないため、混用時の影響は小さい。
  2. 乳剤:補助剤の量が多いため、混用時の影響は大きい。
  3. 水和剤:補助剤の量が多く、植物への付着力も低いため、混用時の影響は大きい。

混用では、

  • 水和剤(殺菌剤)+フロアブル剤(殺虫剤)
  • フロアブル剤(殺菌剤)+フロアブル剤(殺虫剤)

といったように、補助剤の量から、組み合わせを考えるとよいでしょう。

※殺虫剤は殺菌剤よりも補助剤が多いため、補助剤の少ない剤型「フロアブル剤」で組み立てます。

ということで、今回は薬剤散布で重要な「混用散布」についてお話ししました!

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やくも果樹研究所 所長(中の人)
やくも果樹研究所 所長(中の人)
元果樹専門 農業技師
根域制限栽培を中心に研究中。

農業技師時代の専門はカキ・イチジク・ブドウ
好きな果物はキウイ・洋ナシ
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