腐食酸について

今回は意外と知られていない、けれど超重要な成分「腐食酸」について語っていくよ。
ちょっと難しい話が出てくるかもだけど、理屈を知っていると栽培管理が変わるかも!
腐食について
腐食とは土壌中の有機物(生物遺体やその分解物、その他無定形の高分子化合物)が複雑に結合しあって、できたものです。
腐食は不溶性有機物と可溶性有機物の「腐食酸」に分けられます。

ざっくり言うと、腐食とは・・・
動物や昆虫の死骸や落ち葉・倒木など、様々な生物を構成する有機物が、微生物により分解され、できる有機物質ってこと。
そして、腐食に含まれる腐食酸には、植物の生育を助ける機能と土壌改良を行う機能があることが分かっているんだ。

堆肥などにも腐食酸は含まれとるな。
農業の現場的には、腐食酸の供給は堆肥によって行うことがほとんどや。
腐食酸について

腐食酸は重要な要素!
腐食酸の効果は↓のとおり。
- 発根を促進し、根張りを良くする。
- 土壌物理性の改善
- リン酸固定の軽減
- 保肥力の向上
- 微生物の活性化

①は植物に直接働きかける機能だね。
発根を促進し、根張りを良くすることで、丈夫な木に成長するのを助ける働きがあるんだ。

根っこがしっかり張った木は乾燥への耐性も上がるから、栽培が安定するな。

②~⑤は土壌へ働きかけ、間接的に植物の生育を助ける感じ。
ざっと各項目について紹介するね。
②土壌物理性の改善
腐食酸は土壌の団粒化を促進する働きがあり、保水性・排水性・通気性を改善します。
③リン酸固定の軽減
リン酸の固定化(植物が吸収できない形にリン酸が変化すること)の原因となる、鉄、アルミニウムとキレートを形成。
鉄やアルミニウムがリン酸と反応するのを抑え(リン酸固定の抑制)、土壌中のリン酸を植物が吸収しやすいよう留める働きがあります。
④保肥力の向上
腐食酸はマイナス電荷のため、カリウム(K+)やマグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、アンモニア態窒素(NH4+)といった、陽イオンの肥料成分と結合し、土壌の保持能力を高めます。
⑤微生物の活性化
微生物のエネルギー源として消費され、微生物の活性化を促します。
結果、土壌の物理性・化学性・生物性を改善します。

腐食酸の効果を一言で言うと「地力を高める」やな。
堆肥を入れると、植物の生育が良くなるのは【土壌の物理性改善】によるところ、だけじゃなくて腐食酸が関わっとるんや。
腐食酸肥料について

果樹栽培においても重要な腐食酸!
堆肥による補給だけだと、施肥が大変だったり、効率が悪いね。
(堆肥に含まれる腐食酸は1~2%くらいです。)
効率的に腐食酸を補給し、地力を高めたいなら、【腐食酸肥料】もおススメだよ!

アヅミンが個人的にはおススメや!
1.8kgの小袋も販売してるから、家庭果樹でも使いやすいで。

ホームセンターやJAショップで販売しているよ。
販売していない場合は取り寄せてもらえばOK!
良ければ試してみてね。
