【お家でブドウ栽培】:栽培しやすい品種

今回はお家でブドウ栽培する際に意識したい、
【栽培しやすいブドウ品種】について語っていくよ!
品種に勝る技術無し
品種に勝る技術無し。
農業で昔からよく言われる言葉です。
実際、私も父からこの言葉をよく言われました。(もちろん、品種と栽培技術や栽培管理が掛け合わさって高品質&安定生産が実現するのですが。)
【品種の特徴を理解し、活用すること】は栽培上の悩みや課題を解決する力があります。

例を挙げると、
黒ブドウの着色不良に悩んでいる農家さんがいたとして、
栽培品種を着色能力の高い品種に変えれば、栽培の悩みや課題は大きく改善・解決するよね!
そんな感じ!

着色の良い品種に変えれば・・・



違いは一目瞭然!
品種ごとの着色能力を栽培技術・栽培管理だけで覆すのは難しいからね。
「品種に勝る技術無し」が視覚的に分かりやすい一例だね。
栽培しやすい品種の特徴

栽培しやすい品種は「病気に強く」・「花ぶるいしにくく」・「裂果しにくく」・「脱粒しにくく」・「着色能力がよい、または気にしなくてよく」・「短梢剪定に適応している」品種とも言えるね。
①耐病性
欧州種は耐病性が低く、米国種は耐病性が高い傾向にあります。
【耐病性:米国種>欧米雑種>欧州種】のイメージです。
(品種によっても耐病性に差があります。)
病気に強いことは栽培しやすさに直結します。
家庭ブドウ栽培の場合、まずは病気に強い品種から栽培品種を考えてみましょう。

幼果の時点で黒とう病が発生してしまった。

生育途中ではあるが、露地栽培でも病気が発生していない。

個人的にはスチューベン推しかな!
デラウェアも魅力的な品種だけど、ジベレリン処理のタイミングがちょっと難しいから、難易度は高めだね。

②花ぶるい性
花ぶるいとは開花~結実前に落蕾・落花(果)してしまう現象です。
品種によって程度は異なりますが、ひどい場合は房に数個しか果実が残らず、スカスカの状態となります。
ピオーネ・巨峰・クイーンニーナ・グロースクローネといった【4倍体品種】で発生しやすく、注意が必要です。
4倍体品種間でも花ぶるいしやすさには差があるため、栽培前に確認すると良いでしょう。

花ぶるいがひどいと房になりません。


一般に、「若木の時は花ぶるいが発生しやすく、成木になると少し落ち着いてくる。」とされるね。
品種によって花ぶるいのしやすさはけっこう差があるから、品種選びの際は気を付けるといいよ!
③裂果性
裂果とはブドウの果実の皮が裂け、割れてしまう現象のことです。
皮が薄い品種・大玉品種で発生しやすく、特に藤稔やグロースクローネといった大玉品種の中でも果実が大きい品種は注意が必要です。
(乾燥後に大雨が降る等、急激な水分の変化によっても発生が助長されます。)
品種によって裂果の発生しやすさは様々なので、栽培前に確認しておくと良いでしょう。

裂果すると袋の中でカビが生えたりするから、要注意!
④脱粒性
脱粒とは房から果実がとれてしまう現象のことです。
巨峰系統で発生しやすく、藤稔は脱粒しやすいことで有名です。
脱粒はブドウの商品価値を損なうため、脱粒しにくい品種の方が、栽培しやすく・輸送もしやすいです。




収穫調整作業中・輸送中に脱粒が発生すると、けっこう気持ちが萎えるね。
やっぱり脱粒しにくい品種がいいよ。
⑤着色能力(黒ブドウ・赤ブドウのみ)
黒ブドウ・赤ブドウの色素はアントシアニンです。
アントシアンの合成・蓄積は高温で低下し、ある程度の低温で促進されます。
地球温暖化によって、以前よりも高温によるアントシアニンの蓄積低下が起こりやすくなっており、ブドウの着色不良が全国的な問題となっています
品種によって着色しやすさには大きな差があるため、黒ブドウ・赤ブドウを栽培する場合は注意が必要です。
(シャインマスカットといった着色しない品種では問題となりません。)




グロースクローネも着色良好品種なんだけど、最近の猛暑ではなかなか着色が進まないね。
逆に「ブラックビートの着色が良すぎる。」とも言えるね。

⑥短梢剪定への適応性
短梢剪定では1~2芽残しで剪定を行います。
省力的で枝管理がシンプルなため、栽培習得難易度が低く、家庭ブドウ栽培では積極的に採用したい剪定方法です。
短梢剪定は基部の芽を活用するため、品種によっては発芽不良や花穂の数が不安定となる場合があります。
発芽率が高く、基部の芽でも花穂がつきやすい品種が適しており、短梢剪定があわない品種も一定数存在します。
短梢剪定への適応性も家庭ブドウ栽培では意識したい項目です。

多くの品種で短梢剪定は可能なんだけど、相性が悪い品種も一部あるから、念のため確認しておこう!










鉢植え・プランター・コンテナ栽培では基本的に短梢剪定が必須だと考えてもらえれば!
おススメ家庭ブドウ品種

結論から言ってしまうと、
欧州種と米国種の良いところ(欧州種の食味の良さと米国種の育てやすさ)を併せ持つ欧米雑種から選ぶのがおススメ!
なんだけど、
いくつか条件を絞っておススメ品種をピックアップ!
①病気に強い品種なら

病気に強い品種はいくつかあるけれど、個人的には「スチューベン」がおススメ!
一言で言うと耐病性強く・豊産性の栽培容易な黒系中玉ブドウ!
スチューベン
- 米国品種の黒系小~中玉品種。
- 黒とう病耐性が強く、露地栽培でも黒とう病が発生しにくい。
- 「酸が少なく、参考糖度18度~23度と糖度が高いこと」、「果肉がゼリー状で多汁であること」から、ハチミツに似た風味と称される。
- 種無し処理が難しいため、基本的に種有りブドウとなる。
- 国内栽培面積はそれほど多くないが、青森県・秋田県・山形県などの東北地方では主要な栽培品種。
②着色しやすい品種なら

赤ブドウなら「クイーンニーナ」
黒ブドウなら「ブラックビート」
着色を気にしない緑ブドウなら「シャインマスカット」かな。
クイーンニーナ(4倍体品種)
- 着色良好な赤系大玉品種
- 参考糖度:21度(酸も少なく、渋みもない。)
- 肉質は固く締まっており、歯ごたえがありながらかみ切りやすい食感(食べていて楽しい食感。)
- 皮離れが少し悪いため、皮は剝きにくい。
- 香りはそこまで強くないがフォクシー香がある。
※フォクシー香:グレープジュースを彷彿とさせる甘い香り。

赤ブドウは黒ブドウよりも着色不良が起きやすいから、着色良好なクイーンニーナでも鮮やかな赤色に着色するのはちょっと難しいかも。
家庭ブドウ栽培的には「チャレンジ品種」的な扱いだね。

ブラックビート(4倍体品種)
- 黒系ブドウ最高レベルの着色能力
- 参考糖度:16度~19度
- 多汁でしっかりした果肉、食べやすい糖度から比較的あっさりした食味が特徴。

正直に言って、ブラックビートで着色不良が起きるようであれば、着色良好なブドウは存在しないんじゃないかと個人的には思っているよ。

シャインマスカット(2倍体品種)
- 言わずと知れた皮ごと食べられるマスカット
- 雑味の無いストレートな甘さとマスカット香が特徴。
- 参考糖度:18度(酸味がほとんどないため糖度以上に甘さを感じられる)
- 着色しない品種のため、着色不良を気にしなくて良い


緑ブドウならやっぱりシャインマスカット!
比較的病気にも強いし、2倍体品種だから房づくりもしやすい。
意外と栽培しやすい品種だよ。
③栽培が難しい品種を知っておく

「栽培が難しい品種はできるだけ避ける」といった考え方も大事かも!
栽培が難しい品種は本当に難しいから。
↓にいくつか見極めポイントをまとめておくね。
- 欧州種は病気に弱いため、栽培難易度が高い。→米国種・欧米雑種がおススメ。
- 4倍体品種は花ぶるい・裂果が発生しやすい。→2倍体品種がおススメ。
ブドウ栽培ガイド
ブドウ栽培に関する、その他の栽培ガイドも作っています。
ぜひ、他の栽培ガイドをご覧ください!
栽培のポイントを細かくまとめています!

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