はじめに
リンゴは家庭果樹のイメージが薄いかもしれません。
青森県などの東北地方がリンゴの大産地となっているため、寒冷地で栽培する果樹と思われがちですが、その土地にあった品種を選べば、日本のほとんどの場所で栽培可能です。
本テキストでは難しいと思われがちなリンゴ栽培についてストーリ形式でまとめました。
少しでもリンゴ栽培の助けになれば嬉しく思います。
実際に栽培しながら植え付け~収穫までの過程をまとめていくよ!!
これを見れば、リンゴ栽培の始め方・収穫までの道のりがイメージできるはず!!
会話調で説明した方が伝えやすいときは「近所のおっちゃん」が出てきます。
よろしく!!
この記事はYoutube「果樹栽培ch」と連動しています。
動画の方が作業の雰囲気は伝わりやすいかもしれません。
リンゴ栽培概要
栽培難易度(鉢植え):■■■■□(ちょっと難しい)
収穫時期:8月~11月(品種による)
収穫までの必要年数:3~4年
1品種でなるか:×(基本的に受粉樹が必要)
※アルプス乙女は1本でも果実がなります。
↓受粉樹の組み合わせ例

おススメ仕立て方:エスパリエ仕立て
栽培開始前の確認事項
本ガイドの栽培方法と実際の栽培状況を近づけることで、個別具体的な紹介を行います。
チェックリストに従って可能な限り栽培条件を近づけてください。
チェックリストに従って栽培条件を近づけてね。
ここがこのガイド最大のポイント!
□プランター栽培であること
地植え栽培の場合、植えつける環境に成長度が大きく変動します。
同じプランター栽培とすることで栽培条件をガイドと近づけます。
□ベランダや軒下など雨が当たらない「雨よけ栽培」であること
雨よけできれば病気の心配はかなり少なくなります。
つまり、失敗のリスクが大幅に減ります。
□仕立て方は「エスパリエ仕立て」であること
仕立て方によって枝管理が異なるためです。
□周辺地域(1㎞~2㎞圏内)にビャクシン類が植わっていないこと(できれば)
周辺地域に「ビャクシン類」が植わっている場合は「赤星病」が多発します。
リンゴ・ナシの産地では「ビャクシン類」を植えることを規制している地域もあるほどです。
ここは個人ではどうしようもない部分ではありますが、すでにご近所さんや家のお庭にビャクシン類が植わっている場合は、赤星病に注意しながら、栽培していきましょう。
【コラム】リンゴの着果習性
果樹栽培は「いかにして高品質の果実を安定して収穫するか」を最大目標とします。
そのためには、果実の元となる「花が咲く芽(花芽と言います)」がどのように着くのかを知る必要があります。

リンゴは今年伸びた枝の先端部分に来年花をつける「花芽」がつきます。
一般に7月頃から来年の花芽になる準備(花芽分化)が始まり、先端部付近の芽が来年の花芽になっていきます。
エスパリエ仕立てではこの花芽分化の時期を活用して、花芽分化にあわせて、夏にせん定を行います。

↓夏季せん定

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