ブドウ品種紹介 「ブラックビート」


今回はブドウの「ブラックビート」について語っていくよ。
とにかく着色良好。
黒系ブドウで問題となっている地球温暖化による着色不良(赤熟れ)が発生しにくい。
暖地では今後の黒系品種の主力として期待される早生系品種。
■収穫時期:7月下旬~8月中旬(地域による)
■参考糖度:16度~19度
ブラックビートは藤稔とピオーネを掛け合わせた品種。
食味はピオーネよりも藤稔の形質を強く引き継いでいる印象。
ピオーネのような香り高さはありませんが、多汁でしっかりした果肉、食べやすい糖度から比較的あっさりした食味が特徴です。一度食べ始めると止まらない美味しさがあります。
粒も大きく多汁と相まってジューシーさを堪能できるブドウです。

着色機能の高さに目が行きがちだけど、糖度高く、果肉もしっかりした歯ざわりでとても美味しいブドウだよ。
黒系ブドウ最高峰の着色機能
ブラックビート 着色機能遺伝子から読み解く魅力
ブドウの着色の有無(アントシアニン蓄積の有無)・強度は、着色遺伝子座に存在するMYBハプロタイプの構成により決まることが分かっています。
※ハプロタイプについて詳しい説明は省きますが、ざっくり言うと単一の染色体上のDNA配列を意味します。
ピオーネやブラックビートは4倍体ブドウに分類され、ハプロタイプを4つ持ちます。
ハプロタイプは着色機能を持たない「A」、着色機能のある「E1」、E1よりも着色機能の強い「E2」の3種類があります。
近年、着色不良が拡大しているピオーネのハプロタイプは「A/A/E1/E2」
ブラックビートのハプロタイプは 「E1/E1/E2/E2」です。
※黒系品種のMYBハプロタイプの構成は「A/A/E1/E2」、「A/E1/E1/E2」、「E1/E1/E2/E2」の3種類があります。
つまり、ブラックビートは黒系品種としては最高のハプロタイプ構成であり、最高峰の着色機能を持ちます。

ブラックビートの遺伝的優秀さが伝わっていれば嬉しいな!
正直に言って、ブラックビートで着色不良が起きるようであれば、着色良好なブドウは存在しないんじゃないかと個人的には思っているよ。
※「ブラックビート」は着色期前半後半、いずれのステージにおいても「アントシアン」の蓄積量が多く着色が極めて安定して進みます。

ということで、今回はブドウの品種「ブラックビート」についてざっくり紹介しました。
ブドウ栽培について詳しくは栽培ガイドを見てみてね!




