今回は豊洲市場ドットコムが提供している「葡萄の家系図」から「クイーンニーナ」について解説していくよ!!
「クイーンニーナ」
●新しい品種(2011年品種登録)
●鮮やかな赤色が美しい。
赤系品種にありがちな着色不良が起きにくく、比較的着色が安定している。
●参考糖度21度前後。
糖度が高く、酸が少ないためとても甘い品種。
●果肉は非常にしっかりとしている。
「硬いながらもかみ切りやすい」食べていて楽しい食感。
↓
見た目鮮やかで食味良好。これからの赤系有望品種!
血縁について
「クイーンニーナ」
「安芸津20号」×「安芸クイーン」
2011年品種登録(農研機構育成品種)
まずは「安芸津20号」についてご紹介!!
「安芸津20号」
(紅瑞宝 × 白峰)
「紅瑞宝(べにずいほう)」
1975年品種登録。井川秀雄氏育成品種。
●「ゴールデンマスカット」×「クロシオ」と言われています。
●情報が少なく、かつ、人によって解釈が異なっているため詳しい説明は避けたいと思います。
共通しているのは糖度高く・香り高い。要は食味良好である赤系品種という点です。
「白峰(はくほう)」
芦川孝三郎氏育成品種。
●「巨峰」の自然交雑実生から選抜育成されたとされる品種。
巨峰の血筋としては珍しい緑系ブドウです。
●果肉の肉質は崩壊性のため、かみ切りやすいのが特徴です。
●糖度酸味のバランスが取れた美味しさ品種です。
「安芸津20号」は国の農業研究所「農研機構」育種の品種なんだけど、とにかく情報が少ない!!
親の特性から食味良好で果肉がしっかりした赤系ブドウの系譜だと予想!!
続いて「安芸クイーン」について!
「安芸クイーン」
(巨峰×巨峰) 1993年品種登録(農研機構育成品種)
●「巨峰」に「巨峰」を掛け合わせた品種。
●食味は「巨峰」に準ずる。
果肉は「巨峰」より硬く締まっており歯ごたえのある「巨峰」といった感じ。
●大きさも「巨峰」に準ずる。
●一番の特徴は鮮やかな赤色だが、着色不良を起こしやすい。
地域によっては赤色ではなく紫色になってしまう。
「安芸クイーン」は「農研機構」育種の品種。
「安芸クイーン」は1993年に品種登録された結構古い品種だけど、コアなファンが多いブドウだよ。
広島県にある試験場で育種された品種なこともあって、広島県での栽培が多いイメージ。
「クイーンニーナ」の歴史
品種育成時(1990年ごろ)、大玉ブドウといえば「巨峰」・「ピオーネ」が圧倒的なシェアを持っていました。
そんな中、ブドウ需要のさらなる拡大には黒系ブドウとは異なる外観の優良品種の開発が望まれているとして育種がスタート。
農研機構が自らの育種品種「安芸津20号」と「安芸クイーン」を掛け合わせることで誕生したのが、着色良好・食味良好・大玉である「クイーンニーナ」
本当に個人的な感想なんだけど、農業試験場で品種育成している人はなぜか「赤系品種」が好きな人が多い印象があるね。
ちなみに、名前の由来は「安芸クイーン」のクイーンと別名でつけていた「安芸津27号」の27から。
ニ(2)ーナ(7)ってこと!
食味について
食味
●参考糖度は21度。(巨峰の参考糖度は18度ぐらい)
●酸も少なく、渋みもない。
●香りはそこまで強くないがフォクシー香がある。
※フォクシー香:グレープジュースを彷彿とさせる甘い香り。
※巨峰・ピオーネも同様にフォクシー香を持つ)
●肉質は固く締まっており、歯ごたえがありながらかみ切りやすい食感。
●皮離れが少し悪いため、皮は剝きにくい。
「クイーンニーナ」食味の一番のポイントは「食感」!
食べ応えのある食感。
果実をかみ切る感覚はクイーンニーナならでは!
ちなみに、
果肉の硬さは親である「紅瑞宝」の親である「クロシオ」の肉質が硬かったことが関係していると言われているね。
栽培難易度について
これに関しては「巨峰」と同じだね。
「クイーンニーナ」は巨峰系統!
お家でも栽培・収穫は十分楽しめると思うよ。
独断と偏見による総評
品種登録が2011年と新しい品種なのでまだまだ生産量は少ないけれど、これから栽培量が増えてくる有望品種だよ。
ブドウ食べ比べをすると、結構な確率で「クイーンニーナが一番美味しい。」と言われてる気がするね。
個人的には果肉がしっかりしているところが一番のおすすめポイント!!
食べ応えのある果肉をかみ切る食感が食べていて楽しいし、単純に美味しい。
食味に関しては言うこと無しな品種!
皮離れが悪いことが少しだけ気になるけれど、これから赤系ブドウを栽培するのであれば間違いなくおススメ!!