現在、日本では「蓬莱柿(ほうらいし)」・「桝井ドーフィン」の2品種が市場流通の主要品種です。
上記2品種以外を市場で見かけることはほとんどありません。
やくも果樹研究所では新たな品種として夏果イチジク「ザ・キング」に着目しています。
理由は
ザ・キングの収穫時期が「夏」だからです。
しかし、ここで問題が発生します。
夏果イチジクと秋果イチジクでは着果習性(果実の付き方)が異なることです。
秋果イチジク
今年伸びた新梢が結果枝(果実が付く枝)
夏果イチジク
去年伸びた枝が結果枝(果実が付く枝)
夏果と秋果の着果習性については動画を見てもらうと分かりやすいかもしれません。
「夏果イチジクは秋果イチジクよりも枝の管理が複雑になり、結果、収穫量が少なくなる。」と長い間考えられてきました。
しかし、仕立て方を工夫すれば収穫量は問題となりません。
この記事では
イチジクの夏果収穫量を確保する仕立て方(案)
をご紹介します。
①夏果専用品種:改良型 一文字整枝
夏果専用品種では結果枝(今年果実が付く枝)・予備枝(来年果実が付く枝)を配置する必要があります。
しかし、従来の夏果専用品種用の仕立て方習得には相当な練度が必要でした。
初心者の方でも「簡単に」・「収穫量を確保する」仕立て方としてご紹介したいのが、
改良型 一文字整枝
です。
今まで「一文字仕立て」では夏果イチジクは収穫量が少なくなる。
と言われていたけれど、枝配置方法に改良を加えることでその問題は解消されるよ!!
①夏果専用品種:改良型 一文字整枝1型
●通常の一文字整枝の枝配置よりも密に枝を配置。
●交互に結果枝(今年果実が付く枝)・予備枝(来年果実が付く枝)を配置する。
樹形完成後はこの繰り返しで毎年安定収穫!!
②夏果秋果兼用品種:改良型 一文字整枝2型
夏果秋果兼用品種は基本的に夏果・秋果どちらかに収穫目的を絞って栽培した方が効率的で収穫量も多いです。
ですが、
夏果・秋果どっちも収穫したい!
という気持ちがわいてきます。
少し複雑ですが、「改良型 一文字仕立て」をさらに改造することで達成可能です。
夏果秋果兼用品種では夏果は収穫量が少なくなる傾向にあるよ!!
「ちょっとだけ夏果を楽しみ、秋果をたくさん収穫する」そんな仕立て方!!
夏果秋果兼用品種の場合、
夏果は去年伸びた枝の先端部に着果するよ!!
●夏果専用品種は改良型一文字仕立てがおススメ
●夏果と秋果では果実の付き方が違う
※夏果:昨年伸びた枝に着果
※秋果:今年伸びた枝に着果
今回は「夏果イチジク おススメの仕立て方」・「改良型 一文字仕立て」をご紹介しました!!
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