お家で果樹栽培! 地植え? 鉢植え?

yakumokaju
まずはこの式

気象条件 × 土壌環境

果樹栽培するときに、まず意識してほしいのがこの式!!

気象条件 × 土壌環境

「どちらかだけ」ではなく、どちらも大切です。

気象条件はバッチリの地域でも、砂だらけの痩せた土地じゃあ果樹栽培は難しいですよね。掛け算のイメージです。

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どっちがおススメ?

地植え? 鉢植え?

まずは結論から!

お家での果樹栽培・初めての果樹栽培では基本的に鉢植え・プランター栽培がおススメ!

土地が余っている人以外は「鉢植え・プランター栽培」をおススメしています。

「鉢植え・プランター栽培」の一番のおススメポイントは「コンパクト」に栽培できること!

↓のレモンは小さなテラコッタ鉢で栽培することで、超コンパクト栽培した一例だよ。

果樹では根を張れる土の量が、木の大きさに大きく関係するんだ。

↓のイチジクを見比べると、土の量と木の大きさの関係がイメージしやすいかも!

同じ品種・同じ栽培年数・同じ仕立て方でも、植え付け容器の大きさで大きさに違いがでるね。

左:50L体積のプランター 右:10L体積の植木鉢
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鉢植え・プランター栽培をおススメする理由

おススメする理由は3点!

①大きさをコントロールできる 

②移動できる

③土づくりが不要

①【大きさをコントロールできる】は先ほどお話ししたから割愛!

②【移動できる】は①「大きさをコントロールできる」から②【移動できる大きさで栽培できる】ってことだね。

「移動できる」=「植物が苦手な環境から、逃がしてあげることができる」

移動できるから、↓↓のような対応がとれる!

①雨が当たると病気になりやすい品目は、軒下に移動して雨よけ。

②寒さに弱い品目は、厳寒期だけ屋内に移動して越冬。

③夏に気温が上がりすぎる場合は、日陰に移動して避暑。

②【移動できる】っていうのは、ものすごいメリット!

そして、

③【土づくりが不要】も①・②に負けず劣らずの大きなメリットだよ!

鉢植え栽培の場合、果樹栽培用の培養土がホームセンターに売っています。品目ごとに専用の土が売っているほどです。

販売されている培養土を使用すれば土づくりは不要です。

これまで鉢植え・プランター栽培の良い所を紹介してきたけど、良いことばかりじゃないから、その点も紹介してくね!

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鉢植え・プランター栽培の弱点

①地植えよりもこまめな水やり・肥料やりが必要

②収穫量は地植えよりも少ない

③生育に合わせた植え替え・根切りが必要

①【地植えよりもこまめな水やり・肥料やりが必要】はイメージしやすいかな?

①土の量が制限されていること。

②水はけも良いこと。

から地植え栽培よりも、こまめな水やりが必要です。

水やりをサボると木が弱るし、やりすぎても木は弱る。この水管理の勘所をつかむのがちょっと大変だね。

水管理のためのアイテムもたくさん出ているからチェックしてみるといいかも!

おススメは「水やりチェッカ―SUS TEE」

視覚的に植え付け容器の水分状況が分かる便利アイテム!

あわせて読みたい
鉢植え果樹栽培 おススメアイテム!【水やりチェッカーSUS TEE】
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鉢からの肥料成分が流亡していくから、肥料管理も地植え栽培より細かくなるね。

でも安心して!

肥料は緩効性肥料といってゆっくり溶け出すタイプの肥料を使えばOK!

おススメは「マイガーデンベジフル」!

②【収穫量は地植えよりも少ない】は弱点ってほどじゃないけど、鉢植え・プランター栽培ではコンパクトな木になるから、地植え栽培より収穫量は少なくなることが多いね。

栽培に慣れて「もっと収穫したい」・「木を大きくしたい」ってなったら、より大きな容器に植え替えたり、地植えに切り替えればいいばいいと思うよ。

お家での果樹栽培は【小さく始めて、だんだん大きく!】がキーワード!

鉢植えモモ栽培の見本(10号鉢) よりたくさん収穫したくなったら、容器を大きく!

最後は③【生育に合わせた植え替え・根切りが必要】についてだね。

これも安心して!作業自体はシンプルだから! 

【知ってるか知らないか】それだけ!

植え替え・根切りについて

同じ容器で栽培を続けていくと、徐々に新しい根っこが伸びるスペースが無くなります。

新しい根っこが養分を効率的に吸収するので、新しい根っこが伸びるスペースがなくなると木は弱ります。

【古い根っこを取り除き、新しい根っこが伸びるスぺースを確保する】これが根切りです。

必須作業【根切り】について詳しくはこちら!
鉢植え・プランター果樹 必須作業「鉢増し・根切り」について
鉢植え・プランター果樹 必須作業「鉢増し・根切り」について
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やっぱり大きく・たくさん収穫したいなら!

地植え栽培もいいよ!

鉢植え・プランター栽培から果樹栽培を始めるのをおススメしているけど、地植えには地植えの魅力があるからね。

地植え栽培の魅力:大きく育てることができる・たくさん収穫できる!

注意しないといけないのは、【木は思っているよりも大きくなる】・【土づくりは知識・経験・労力・お金が必要】ってこと!

木は思っているよりも大きくなります。

そして、一度荒れてしまうと修復はとても大変です。

カキの成木(果樹は思っているよりも大きくなります)
左:放任して荒れたカキ園 右:管理されているカキ園

果樹を地植え栽培する場合は、予想以上に広いスペースが必要です。

狭いスペースに地植えすると、枝ばかりが上に伸び、果実がなかなかつきません

狭いスペースに植えられたウメ。枝が込み合い、果実もつかない。

土づくりは知識・経験・労力・お金が必要です。

一朝一夕ではできません。

果樹栽培の基本は

・「水はけ」

・「土壌の深さ(根っこが入っていける柔らかな土の層の深さ)」

・「土壌の保肥力」

のバランスがとれた土づくり。

地面であればどこでもよく育つわけではありません。

ただし、土づくりは時間がかかります。「堆肥」を入れたり「もみ殻」を入れたり、牧草を生やしたり、少しずつ少しずつ改良していくものです。

牛糞堆肥による土壌改良
【もみ殻による土壌改良】
【明渠(めいきょ)による排水性の向上】

プロ農家さんみたいに専業で栽培するわけじゃないから、そこまでシビアにならなくてもいいんだけど、やっぱり土づくりは年単位で時間がかかるね。

ここが農業の面白いところでもあるけれど、趣味で楽しむ分には少し大変かもしれないね。

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結局、鉢植え・プランター栽培がおススメ!

まとめ

果樹栽培のススメ3【どんな樹形にする? 仕立て方編】へ進む↓

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やくも果樹研究所 所長(中の人)
やくも果樹研究所 所長(中の人)
元果樹専門 農業技師
根域制限栽培を中心に研究中。

農業技師時代の専門はカキ・イチジク・ブドウ
好きな果物はキウイ・洋ナシ
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