第3章:植え付け1年目の管理
植え付け1年目の栽培管理はそこまで多くないよ。
コガネムシの幼虫対策とせん定くらいかな!
あとは水やりと必要に応じて肥料をあげればOKだよ。
ほんまにそれだけ?
基本はそんな感じ!
もし可能だったら、7月~9月の暑い時期は遮光してあげると生育がより安定するよ!
夏場の強すぎる日差しはブルーベリーにNG!
日光はブルーベリーにとって必要不可欠ですが、夏場の強すぎる日差しはブルーベリーに良くありません。
葉焼けや光合成効率の低下による衰弱、収穫量や果実品質の低下を引き起こします。
ブルーベリーの場合、7月上旬~9月上旬ごろまで遮光率20%程度の白色寒冷紗で日差しをやわらげたり、半日陰の場所に移動すると良いでしょう。
樹勢が維持され、収穫量や果実品質が安定します。
↓【遮光率22%の白色寒冷紗】
白色寒冷紗の設置が難しい場合は
「木陰になる木の下」や「軒下」など半日陰になる場所に移動するといいよ。
↓【日差しの柔らかな木陰に移動したブルーベリー】

↓【半日陰となる軒下へ移動したブルーベリー】

それなら、夏場は日差しが当たりすぎないところへ移動しよか。
鉢植えなら移動も楽やし。
コガネムシの幼虫対策:4月~5月上旬
植え付け後、苗木が植木鉢になじんだら、
鉢植えブルーベリー栽培の重要害虫「コガネムシの幼虫」対策をやっていくよ!
この作業をしないと、栽培失敗のリスクが高まるから可能ならやってね。
コガネムシってそんなに怖いん?
鉢植えブルーベリーの場合、脅威だよ。
怖いのは幼虫!
幼虫は根っこを食い荒らすんだ。
しかも植木鉢では根っこのスペースが制限されているから、被害が甚大になりやすいね。放っておくと普通に枯れるよ。
めっちゃ怖いやん。
どうしたら・・・
根本的な対策は「コガネムシが鉢内で産卵できないようにすること!」
コガネムシは地中に産卵するから、コガネムシが鉢土内に侵入できないような障壁を準備するよ!
色々な対策方法があるけれど、防虫ネットとインテリアバークがおススメ。


↓まず防虫ネットを鉢のサイズの合わせて切り、真ん中まで切れ込みを入れる。

↓切れ込みを活用して、スキマができないように防虫ネットを敷く。


↓インテリアバークで防虫ネットに蓋をする


インテリアバークを敷くと、おしゃれに見えてええな。
母ちゃんも喜びそうや!
ガーデニングとしてもいいよね。
コガネムシの幼虫対策もしながら、おしゃれに決まるから「インテリアバークと防虫ネットの組み合わせ」をおススメしてるよ!
使っているのはこんなやつだね。
ホームセンターに普通に売っているから、ホームセンターで買おう!
●対策時期:5月上旬までに
コガネムシの成虫は5月~9月ごろに発生します。
成虫が発生する5月上旬までに作業を完了しておくと安心です。
●対策方法
鉢土内に産卵させない。
物理的障壁を設置する。
※成虫の侵入が防げるのであれば、なんでもOK。
※おススメは防虫ネットとインテリアバークの組み合わせ。
コガネムシを甘く見ないこと!!
コガネムシの幼虫はブルーベリーの根っこを食べます。
根っこを食べられたブルーベリーは急速に弱り、最悪枯れてしまいます。
気づいた時には手遅れといったこともあり得ます。
コガネムシの幼虫対策ができたら、後は水やりと肥料を必要に応じてあげていけばOK!
夏場は直射日光に気を付けてね!
↓【植え付け1年目 夏の様子】

【コラム】水やりについて
鉢植え果樹を失敗する意外な原因が「間違った水やり」です。
水管理について「絶対にこう!」といった明確な基準はありません。
木の様子を確認しながら感覚的に行うのが普通です。
この感覚が曲者で栽培初心者は
「水のやりすぎ」→「根腐れによる生育不良」→「水不足と勘違いしさらに水やり」の負のスパイラルに陥りやすいのです。
よく
鉢土の表面が乾いたら、しっかり水やり
と言われますが、ざっくりとした目安があった方が初めての栽培では安心できるかと思います。
あくまでも私の基準ですが、
春:2~3日に1回
夏:毎日
秋:2~3日に1回
冬:10日~14日に1回
としています。
基本的に鉢内部が乾いたら水やりをするわけですから、「視覚的に鉢内部の水分状態を知ること」ができれば水やりの不安はかなり解消されます。
その場合は「水分チェッカー」を使用しましょう。
色々な商品が発売されていますが、個人的なおススメはキャビノチェ株式会社の「SUS TEE」です。
よければ鉢植え果樹に取り入れてみてください。
【コラム】害虫対策について
↓【ケムシ類に葉っぱを食害されたブルーベリー】

ブルーベリーを栽培していると害虫被害にあうことがあります。
樹液を吸う虫・食害する虫タイプは様々ですが、ケムシ類による葉っぱの食害被害が比較的多いです。
家庭果樹で薬剤散布のハードルはなかなか高いため、ケムシ類の被害を受けた際はスプレータイプの殺虫剤も検討するといいかもしれません。
「ベニカベジフルスプレー」はブルーベリーへのケムシ類適用があります。
せん定:12月下旬~2月下旬

↓

1年間でこれだけ成長したね。
12月下旬~2月下旬はせん定適期! 早速せん定していこう!
せん定かぁ・・・
せん定ってよく分からんのよなぁ。
おっちゃん安心して!
植え付け1年目のせん定はとってもシンプル!
花芽を全部切り返すだけ!
花芽?
花芽はその名の通り、来年花が咲く芽のこと!
つまり、果実のもととなる部分だね。
ブルーベリーの花芽は「枝の先端部分につく」&「枝葉のもととなる葉芽と比べてふっくら大きい」から、見た目ですぐ判断できると思うよ!
↓【ブルーベリーの花芽】

↓【ブルーベリーの花芽と葉芽】

ちょっと待ってくれ!
来年果実のもとになる花芽を全部切ってしまったら、来年果実がならんじゃないか!
おっちゃん。
気持ちは分かるけど、ブルーベリーは木が大きくなるまで果実をつけるのは厳禁だよ。
植え付ける時にも言ったでしょ?
ブルーベリーの木がしっかり成長するまでは収穫は我慢だよ!
なんでもそうだけど、基礎がしっかりしていないとすぐダメになっちゃうからね。
そうやったな。
我慢するわ。
おっちゃん、さすが!
我慢した分、木の骨格が早く完成すれば、「長く」・「たくさん」果実を収穫できる木に仕立てることができるから、未来への投資だと思って、今年は花芽を全て切り返そう!
了解や!
せん定については動画の方が絶対分かりやすいから、動画を見てみて!
6:00くらいからせん定について紹介してるよ!
これで1年目の管理は完了!
ね? 簡単だったでしょ?
せやな! この調子で2年目もよろしく頼むわ!
オッケー!
ということで、植え付け1年目の作業まとめ!
●3月の春植えがおススメ。
※秋植え(11月)でもよいですが春植えをおススメします。
●植え付け後、5月上旬までにコガネムシの幼虫対策を行う。
●木の成長にあわせて追肥を行う。
※肥料の量は「気持ち少なめ」が失敗しにくいコツ。
●夏の日差しに注意!
半日陰の直射日光が当たりすぎない場所に移動するか
寒冷紗を使って、日差しをやわらげよう!
●せん定は「花芽を全部切り返す」