第2章:植え付け
待ちに待った春や! やっと植え付けできるな!
でもなんで3月の春先が植え付け適期なん?
他の時期じゃダメなんか?
「絶対ダメ」ではないけど、やっぱり適期に植えつけるべきだよ。
植え付け後の安定性が全然違うから!
春植えが適期とされる理由
「春植え」は果樹栽培において最も植え付けに適した時期です。
理由は3つあります。
①苗木は新しい根っこが成長しないと地上部も成長できません。
②根っこの活動が旺盛な時期の植え替え作業は根っこを傷つける可能性があります。
③根っこの活動が停滞している時期の植え替え作業は根っこを傷つけにくいですが、成長は遅くなります。
つまり植え付け適期とは
「根っこを傷つけにくく、植え付け後に根っこの成長が旺盛になる時期」と言うことになります。
春先は「根っこが活動を開始する直前」です。
よって、春先が「植え付けの最適期」であると言えるわけです。
春植えが苗木の植え付け適期であることが分かったところで!
植え付け作業をしていこう!
そうやな!
植え付け手順はこんな感じ!
①鉢底石を敷く
※鉢底石は鹿沼土の(中)または(大)でも問題ありません。

②培養土を敷く
可能な限り苗木が「浅植え」となるようにギリギリを狙いましょう。
根っこは下へ下へ伸びます。 「浅植え」とすることで根っこの生育スペースを最大限確保することができます。

培養土は必ずブルーベリー専用の培養土の使おう!
培養土をケチるのはおススメしないよ
③苗木の植え付け
ポットから優しく苗木を取り出し、植えつけます。



④肥料・水やり
ゆっくり溶け出す緩効性肥料を使用しましょう。
鉢植え栽培では養分の流亡(養分が鉢から流れ落ちていくこと)が起きやすいため、速効性肥料は植え付け時の肥料に不向きです。
散布量は肥料にもよりますが、10号鉢の場合「軽く一握り」程度で大丈夫です。
「足りなければ、都度足してあげる」ぐらいで「少し少なめ」が肥料のポイントです。


意外と簡単やったな。
でしょ? この気軽さは鉢植え栽培ならでは!
地植えはもっと大変だからね。
準備しておけば、ベランダでも十分植え付け作業可能だと思うよ。
1つだけ要注意ポイント!
ブルーベリーの苗木には花や果実がついている苗木も多いけれど、
苗木の時点では花・果実をつけるほど木に養分の余裕がないから、見つけ次第、間引いてしまおう!


なんかもったいないなぁ。
せっかくだし、植え付け1年目から収穫してもいいんじゃ・・
おっちゃん!
それは絶対ダメだよ!
まずは↓↓これを見て!

これがどうしたん?
なんや元気のないブルーベリーと元気のいいブルーベリーがあるだけやん。
この2つのブルーベリーは
「植え付け1年目に果実をつけたままにしたか、きちんと果実を間引いたか」の比較試験の結果なんだ。
【植え付け1年目に果実をつけたブルーベリー】

↓1年後

【植え付け1年目は果実をきちんと間引いたブルーベリー】

↓1年後

植え付け1年目にちょっと果実をつけただけでこれだけ差が出るんか・・・
そう!
そしてこの差は取り返しのつかない差にもなるんだ。
結局、1年目に果実を無理にならせた苗木は2年目の夏に枯れてしまったよ・・・
果樹栽培初心者ほど、苗木についた果実をそのままにしがちだけど、これが栽培失敗の一因でもあるから、ここは本当に注意してね!
残念だけど、しょうがないか。
これも未来への投資やな
そういうこと!
●3月の春植えがおススメ。
※秋植え(11月)でもよいですが春植えをおススメします。
その他の時期は植え付けを避けた方が無難です。
●培養土をブルーベリー専用の培養土を使用する。
●肥料は緩効性肥料。やりすぎるくらいなら少なめでよい。
●植え付け1年目は果実をならさない。苗木に花や果実がついていたら間引くこと。