第1章:植え付け前
なにがええかなぁ・・・
おっちゃん、どうしたの?
おう! ちょうどいいところに。
じつは母ちゃんから「モモ・イチジク以外の果樹も家で育てたい」って頼まれてな。


いいじゃん!
奥さんから何かリクエストはあるの?
それが「コンパクトでおしゃれなやつ!」としか言われなくてな・・・
困っとったんよ。
なるほどね。
それなら、レモンかブルーベリーはどうかな?
鉢植えならコンパクトだし、ガーデニングとしても相性良いと思うよ!
↓↓こんな感じ!



なんかおしゃれな感じがする!
ええなぁ!
よかった!
レモンとブルーベリーどっちにする?
そうやなぁ。
アントシアニンの抗酸化作用による健康効果を狙って、今回はブルーベリーにしよかな。
(おっちゃんにしては知的な発想・・・)
いいよ。
それじゃあ今回は一緒に鉢植えブルーベリー栽培をやってみよっか!
準備するものは↓↓をチェック!
準備するもの
【 必 須 】
□ 苗木
□ 植木鉢(10号サイズ)
□ ブルーベリー専用の培養土
□ 鉢底石 ※鹿沼土の(中)・(大)でもOK
□ 緩効性肥料
□ 土入れ(スコップ)
□ せん定ばさみ
□ 水やり容器(ジョウロ等)
【 あるとよいもの 】
□ 水分計 ※水やりのタイミングで迷いません。鉢植え果樹栽培の初心者には強くおススメします。
□インテリアバーク・防虫ネット
※コガネムシの幼虫対策で使用します。
【コラム】なぜブルーベリーは酸性土壌を好むのか
ブルーベリーは一般的な植物が生存できないような酸性土壌を好みます。
通常、植物が生育困難な酸性土壌で、なぜブルーベリーは健やかに生育できるのでしょうか?
酸性土壌では、植物の生育に必須な「リン酸」が欠乏します。
そして、植物にとって毒素である「アルミニウム」が溶け出し、根が傷つきます。
本来、酸性土壌では一般的な植物は生育しにくいのです。
なぜ酸性土壌ではリン酸が欠乏するのか?
土壌中のリン酸はカルシウムや鉄、アルミニウムなどと結合して「リン酸塩」になり安定しようとします。これを「リン酸の固定」といいます。
固定したリン酸は植物が吸収しにくい状態です。
とくにアルミニウムと結合したリン酸を植物はほとんど吸収できません。
アルミニウムは土壌が酸性になるほど、土壌中に溶け出します。
つまり、植物が吸収できない「固定されたリン酸」が増えます。
→結果、土壌中のリン酸が欠乏する。というわけです。
ですが、ブルーベリーは違います。
その理由の一つが
エリコイド菌根菌との共生関係です。
エリコイド菌根菌はブルーベリーの根っこに住んでいる細菌です。
エリコイド菌根菌は
ブルーベリーが光合成で作った養分をもらうかわりに
①酸性土壌では吸収しにくい「リン酸」をブルーベリーへ与えます。
②酸性土壌で溶け出す「アルミニウム」からブルーベリーの根っこを守ります。
この共生関係からブルーベリーは酸性土壌でも健やかに生育できます。
むしろ、酸性土壌の方が健やかに生育します。
面白いのは
「エリコイド菌根菌がいないと思うような鉢植え栽培」
「挿し木で育成した苗木」
にもエリコイド菌根菌がきちんと住み着いていること!
何でかは分からないけど、自然にエリコイド菌根菌との共生関係が成立しているんだよ。
自然って奥深いな。
上手にできてるわ。
ね。
とりあえず、「ブルーベリーは酸性土壌でないと生育が悪くなるから、鉢植え栽培の時は必ずブルーベリー専用の培養土を使う」ってことだけは押さえておこう!