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種子からそだてる? 実生苗の注意点

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今回は種子から苗木を育てていく「実生(みしょう)苗」についてざっくり語っていくよ。

実生(みしょう)苗とは?

種子をまいてふやした苗木のことを「実生(みしょう)苗」といいます。

果樹では一般に「接ぎ木」や「挿し木」で苗木を増やします。

それは、接ぎ木や挿し木で増やした苗木は

・親と同じ性質を持つ

・初収穫までの年数が短い

といった便利な特徴があるためです。

ここで注意点!

①実生苗では種まきから収穫まで5年以上、品目によっては10年以上の歳月が必要となります。

②実生苗では種子を取ってきた木とは異なる性質の木になる可能性があります。

正直に言って、「実生苗をお家で栽培することはデメリットがとても多い」と考えているよ。

実生苗のメリット・デメリットも簡単にまとめるね。

実生(みしょう)苗のメリット

①どんな特性を持った木か成長するまで分からない。

実生苗は種子をとってきた木とは異なる性質の木に成長する可能性が高いです。

例えば、ナシの「二十世紀」から取ってきた種子をまいて育てた苗木の果実は、ほとんどの場合親である「二十世紀」とは異なった特性を持ちます。

※この特徴は品種開発でも利用されています。

実例で言うと、超大玉ブドウで有名な「ルビーロマン」は大玉ブドウ「藤稔」どうしの自然交雑実生苗から選抜された品種です。

藤稔
ルビーロマン 写真提供:石川県観光連盟
近所のおっちゃん

「藤稔」は黒系なのに、「ルビーロマン」は赤いな!

「藤稔」どうしの交雑実生苗でもこんなことが起こるのか!

400粒の種から赤い実をつけたのは、わずか4粒の種だったようだから、「ルビーロマン」は実生苗の選抜という途方もない労力の結晶ともいえる品種だね。

みんながみんな良い特徴(人間にとって)をもっているわけではないけれど、「自分だけの新品種に出会えるかもしれない」というのはロマンを感じるね!

(正直これはメリットであり、デメリットでもありますが、この記事ではメリットとしています)

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②果樹盆栽としても栽培できる

種子から何年もかけて育てることもあって、果樹では想像できないようなコンパクト栽培も可能。

その代わり、「果実はならない」または「収穫量が極端に少ない」というデメリットもあるね。

果樹盆栽をやってみたい方は実生(みしょう)苗も面白いかも!

果樹盆栽としない場合は、成長とともに鉢サイズを大きくしていけばOK!

実生(みしょう)苗のデメリット

①収穫までに極めて長い年月が必要

もうこれが全てだよ。

接ぎ木苗や挿し木苗であれば、収穫まで3年程度のはずが、実生(みしょう)苗では5年~10年以上必要となるよ。

たまに種子から果樹を育てている方の相談を受けるけれど、相談内容のほぼ100%が「いつになったら果実がつくのか」これなんだ。

近所のおっちゃん

そんなにか。

果樹は「果実をならす樹」だから「果実がならない」というのは致命傷だと思うよ。

10年以上も果実がなるのを待つのは大変だからね。

だから、個人的には実生(みしょう)苗をおススメはしていないよ。

ざっくりこんな感じ!!

実生苗(みしょう)苗はロマンあふれる魅力的な栽培方法だけど、注意点も多いね。

ということで今回は「実生苗の注意点」ついてご紹介しました!