果樹栽培するときにまず意識してほしいのがこの公式!!
気象条件 × 土壌環境
「どちらかだけ」ではなく、どちらも大切です。
気象条件はバッチリの地域でも、砂だらけの痩せた土地じゃあ果樹栽培は難しいですよね。
掛け算のイメージです。
まずは結論から!
お家での果樹栽培・初めての果樹栽培では基本的に鉢植え・プランター栽培がおススメ!
●土地が余っている人
●果樹栽培に慣れてる人
以外は「鉢植え栽培」をおススメしています。
「鉢植え栽培」の一番のおススメポイントは「コンパクト」に栽培できること!!
盆栽がいい例かな。
根を張れる土の量が木の大きさに大きく関係するんだ。
「根は植物にとって胃袋みたいなもの」だから、「胃袋が大きければその分大きくなる」
そんなイメージ!
土の量と木の大きさの関係はこちらの動画が参考になるかも!
「鉢植え栽培」 メリット
※「大きさをコントロールできる」についてはご紹介したので、それ以外のメリットについてお話します。
メリット② 「移動できる」
●雨が当たると病気になりやすい品目は軒下に移動して雨よけ。
●寒さに弱い品目は厳寒期だけ屋内に移動して越冬。
●夏に気温が上がりすぎる場合は日陰に移動して避暑。
↓
つまり、「移動できる」=「植物が苦手な環境から人間の手で逃がすことができる」ということです。
これはかなり大きなメリット!
メリット③「果実をならせやすい」
鉢植え栽培は植木鉢によって根っこの量を制限する栽培です。
言うなれば「木に食事制限かけて木が元気になりすぎるのを抑えている」とも言えます。
実は、「果樹は少し弱っているぐらいが果実をつけやすい」のです。
「生育が危ぶまれてくると子孫を残そうとして果実をならす」みたいなイメージですね。
つまり、「鉢植え栽培の方が果実がなりやすい」ということです。
メリット④「土づくりが不要」
鉢植え栽培の場合、果樹栽培用の完成された培養土がホームセンターに売っています。
品目ごとに専用の土が売っているほどです。
販売されている培養土を使用すれば土づくりは不要です。
鉢植え栽培はとてもお手軽ってこと!!
「鉢植え栽培」デメリット
デメリット①「こまめな水やり・肥料やりが必要」
「こまめな水やり・肥料やり」はイメージしやすいかもしれません。
●土の量が制限されていること。
●水はけも良いこと。
から地植えと異なり、こまめな水やりが必要です。
水やりをサボると木が弱るし、水をやりすぎても木は弱るんだ。
鉢植え・プランター栽培の失敗の原因の多くは間違った水管理。
この水管理の勘所をつかむのに慣れが大変なんだ。
水管理のためのアイテムもたくさん出ているからチェックしてみるといいかも!
おススメは「水やりチェッカ―SUS TEE」
視覚的に植え付け容器の水分状況が分かる便利アイテム!
また、肥料成分は水と一緒に流れてしまうものもあるため、肥料も定期的に与える必要があります。
鉢植え栽培の場合、
肥料は緩効性肥料といってゆっくり溶け出すタイプの肥料がおススメ。
個人的おススメは「マイガーデンベジフル」!
デメリット②「生育に合わせた植え替え・根切りが必要」
恐らく、栽培初心者が一番困るのがここだよ。
たしかにイメージが湧かないな。
「植え替え・根切り」ってなんでやるの?
同じ植木鉢で栽培していると、徐々に新しい根っこが伸びるスペースが無くなるんだ。
新しい根っこが養分を効率的に吸収するから、新しい根っこが伸びるスペースがなくなると木は弱ってくる。ってわけ。
・植木鉢・プランターであれば2~3年おきに根切りを行う。
※100L等の大型鉢であれば「植え替え・根切り」は基本不要です。
・根っこを切る量は1/3程度
※品目にもよりますが、ここが一つの基準です。
【より大きくしたい場合】
→より大きな鉢へ植え替え。
【大きさを変えたくない場合】
→同じ大きさの鉢へ植え替え。
デメリット③「収穫量が少ない」
鉢植え・プランター栽培ではコンパクトな木になるから、どうしても収穫量は少なくなるね。
気軽に栽培に取り組めるのはええけど、収穫量が少ないのは嫌やなぁ。
栽培に慣れて、「もっと収穫したい」・「木を大きくしたい」ってなったら、より大きな容器に植え替えたり、地植えに切り替えればいいんじゃないかな?
「小さく始めて、だんだん大きく!」がポイントだと思うよ。
せやな!
「地植え栽培」 メリット
地植えの一番のメリットは「大きく育てることができる」
やっぱりこれ!
地植えで大きく果樹を育てるってのはロマンがあるし、収穫もたくさんできるからね。
ただし、
●初めての果樹栽培
●木がどれくらい大きくなるかイメージできない
場合は鉢植え栽培で小さく始めることをおススメしてるよ!
果樹栽培は「小さく始める」が大切
なぜなら、「木がどれだけ大きくなるかはイメージしにくい」からです。
まずは植木鉢・プランターで小さく育ててみて、「もっと大きくしたい!」となれば、より大きな鉢や地面に植え替えていくのが失敗しにくいコツです。
「水やり・肥料やりが少ない」についてはイメージしやすいね。
地植えの場合、鉢植え・プランター栽培よりも土の量が多いから、その分水や肥料を土から吸収できるからね。
「地植え栽培」 デメリット
えらいデメリット多いな。
果樹を大きく育てるには、それだけ注意点が多いってこと!
デメリットというよりは注意点と言った方がいいかもね。
順に説明していくね。
デメリット①「大きなスペースが必要」
果樹を地植え栽培する場合は予想以上に広いスペースが必要です。
狭いスペースに地植えすると、枝ばかりが上に伸び、果実がなかなかつきません。
これはイメージしやすいね。
狭いスペースに植えられた果樹や樹木が逃げ場がなくて、どんどん上に伸びてるのをたまに見るけれど、
真上にしか伸びるスペースがないところに果樹を植えちゃうと管理が厳しいね。
例えばこんなの。
この木はウメだけど枝が横に伸びるスペースがないから、上にどんどん伸びているね。
こうなっちゃうと、管理も大変だし果実もほとんど着かないよ。
次の写真はカキだけど、スペースがしっかり空いているから伸び伸びしていていい感じ。
さっきの梅もこんな感じにしたいところ。
具体的に「これだけスペースが必要」みたいなのないの?
本当は明確な基準を言いたいんだけど、
「品目や品種」・「植えつける土地の地力」・「仕立て方」で変わってくるから難しいね。
大事なことは「果樹は自分が思っているよりも大きくなる」と意識すること!
「果樹は自分が思っているよりも大きくなる」 と意識する!!
デメリット②「一度荒れてしまうと、修復が大変」
まずこの写真を見てほしいんだ。
この写真はカキなんだけど、
左が数年間ほったらかしにした木。
右が管理している木。
数年間ほうっておくと、果樹ってこんなになっちゃうんだ。
しかも、こうなってしまうと1~2年じゃあ元には戻せない。
とても時間がかかるんだ。
そういうもんか。
もちろん鉢植え栽培も放っておくと良くないけれど、
こんなにひどくなるのは木が大きくなりやすい地植えだからかな。
地植え放任樹となってしまった樹の復旧管理はとても大変。
気軽に楽しみたいのであれば「鉢植え栽培」
デメリット③「移動が困難」
これははイメージしやすいかな。
今まで見てもらった写真がその証拠だね。
もちろん移動できないからこそお家のシンボルツリーにもなるし、愛着も湧くから悪いことばかりじゃないよ。
【地植えイチジク 一度植えたら移動は難しい】
【鉢植えイチジク 仕立て方や木の大きさにもよるが移動できる】
デメリット④「土づくりに労力がかかる。土地によっては栽培できない品目がある」
これはかなり専門的な話になっちゃうから、
ざっくりした説明にとどめるね。
果樹栽培の基本は
・「水はけ」
・「土壌の深さ(根っこが入っていける柔らかな土の層の深さ)」
・「土壌の保肥力」
のバランスがとれた土づくり。
地面であればどこでもよく育つわけではありません。
ただし、土づくりは時間がかかります。
「堆肥」を入れたり「もみ殻」を入れたり、牧草を生やしたり、少しずつ少しずつ改良していくものです。
【牛糞たい肥による土壌改良】
【もみ殻による土壌改良】
【明渠(めいきょ)による排水性の向上】
プロ農家さんみたいに専業で栽培するわけじゃあないから、そこまでシビアにならなくてもいいんだけど、
やっぱり土づくりは年単位で時間がかかるね。
ここが農業の面白いところでもあるけれど、趣味で楽しむ分には少し大変かもしれないね。
今までいろいろ植える場所・植え方について話してきたけど、僕の考えをまとめるね!!
以上!
今回は鉢植え栽培・地植え栽培についてざっくり比較しながら、鉢植え栽培の魅力についてご紹介しました!