果樹 隔年結果(かくねんけっか)について


今回は果樹でよく問題となる現象「隔年結果」についておっちゃんとの小話スタイルで語っていくよ。

おっちゃん、隔年結果って知ってる?

詳しい理屈は知らんけど何となく知っとるな。
豊作の年と不作の年が交互に来ることじゃろ?


そうそう。
隔年結果は「今年分の果実の成長」と「来年の花の準備」が同時に行われることが主な原因と言われているよ。
【果実がたくさんなると来年の花の準備まで養分が回らないから、次の年は花(果実)が少なくなる】
【果実が少ない年は来年の花の準備に養分がしっかり回せるから、次の年は花(果実)が多くなる】
この繰り返しをしているって訳だね。



なるほど、理屈が分かれば対策も立てられるな。

おっちゃん、いいこと言うね。
そのとおり!
自然状態に任せた着果量だと安定しないなら、摘蕾・摘果を行って着果量をコントロールしてあげればいいんだよ。




これは摘果を一切しなかったユズ。
果実がたくさんなっていて迫力あるけど、恐らく今ついている果実への養分供給でいっぱいいっぱいだったはず。
来年の花芽の準備には養分が十分に回せなかったんじゃないかな?
来年は不作だろうね。
こんな風に「豊作」→「不作」→「豊作」→「不作」を繰り返し行くのは好ましくないよね。
「果実品質」は安定しないし、なにより「栽培モチベーション」にムラが出ちゃうから。

たしかに。
「豊作の年は楽しいけど、不作の年はどうせ収穫量が少ないから栽培に気が向かない」なんてことになったら、1年おきにしか栽培に力が入らんもんな。
どうせなら毎年しっかり管理して、全力で栽培を楽しんだほうがええな。

そうそう!
まずはできる範囲で摘蕾・摘果を行って、着果量のコントロールをしてみよう。
着果量をコントロールすると養分の浪費が抑えられるから、「隔年結果の抑制」以外にも「果実品質の向上」が期待できるよ。
簡単な作業だけど、そのメリットに驚くはず!


ということで今回は「隔年結果」についてお話ししました。