果樹棚の作り方ガイド

ブドウやキウイといったつる性の果樹を地植え栽培する際は、果樹棚が必要となります。
作ったことがない方にはなじみがなく、どうしていいか分からないかもしれません。
そこで、果樹棚の作り方を簡単にまとめました。
少しでもお家での果樹栽培のお役に立てば幸いです。
果樹の棚栽培について
ブドウやキウイといった、つる性の果樹は基本的に棚に枝を這わせながら栽培します。
その他、品目問わず【枝を水平に誘引したいとき】・【樹形を思い通りに仕立てたいとき】にも、果樹棚は活用されます。



あると栽培の可能性が広がるのが、果樹棚!
「業者に頼むと高いけど・・・自分でどうやって建てたらいいか分からないし・・・」そんな方に向けて、果樹棚の作り方の一例を紹介していきます!
果樹棚の作り方(一例)
今回はブドウ栽培用の果樹棚を見本として作っていきます。
使用する材料はホームセンターで購入・取り寄せできると思います。
1:材料

まずは棚の骨格となる、φ48.6の単管パイプ!
よりお手軽に作る場合はφ31.8・φ25.4のメッキパイプもいいかもしれません。


単管パイプを連結するためにはクランプが必要です。
直交クランプは「棚をくみ上げる時に」
自在クランプは「筋交いをつける時に」
ポンジョイントは「単管パイプを延長するときに」
使用します。


単管パイプを垂直に地面に打ち込むのが大変なので、今回は土台(ベース)を使います。



あると便利なのが、パイプカッター!
長い単管パイプを買ってきて自分で切断すれば、コストを抑えることができます。
さらに、単管パイプの長さを調整できるため、棚の自由度も上がって一石二鳥です。


2:棚の設計&必要な材料の計算
棚を作り始める前に、棚の設計が必要です。
棚の設計には【果樹棚を使って、どのように果樹を栽培するか(仕立て方)】を決める必要があります。
仕立て方が決まらないと棚の寸法が決められないからです。
今回はブドウの果樹棚のため、「平棚H型整枝」と仮定して設計していきます。


仕立て方が決まると、棚の寸法も決まります。
「平棚H型整枝」なら横4m×縦10mくらいですね。
(●が支柱の位置)


木の骨格を追加した平面図は↓↓
平面図で木の骨格を見ると「平棚H型整枝」の意味がイメージしやすいかもしれません。


木の骨格が完成したら、骨格から真横に枝を這わしていきます。
↓↓みたいなイメージです。



木の仕立て方・棚の寸法が決まると、必要な部材数も決まってきます。

今回の例だと、必要な部材は
支柱ブロック:12個
単管パイプ:(1m)8本・(2m)3本・(2.5m)20本・(3m)9本
直交クランプ:24個
自在クランプ:16個
ポンジョイント:20個
3:棚の組み立て
棚の設計ができたら、棚を組み立てていきます。
設計&必要部材の確認ができれば、もう完成したようなものです。
※組み立ては1人だと危険&効率も悪いため、必ず2人以上で行いましょう。

まずは土台(ベース)を棚の設計図に従って、所定の位置に置いていきます。
ポイントは
①土台(ベース)がある程度地面に埋まるように穴を掘ること
②水平器を使って、しっかり水平を取ること


土台(ベース)が置けたら、支柱を立てていきます。


支柱を立てつつ、直交クランプを使って骨組みを固定していきます。
骨組みの高さが棚面の高さになるので、自分の身長にあう高さで固定しましょう。
基準は「自分の身長+10㎝の高さ」です。


骨組みが組みあがったら、直交クランプを本締め&自在クランプで筋交いをつければ、骨格完成です!



お疲れさまでした。
次ページでは棚線の張り方と雨よけトンネルの付け方を紹介していきます。