全ての基本「水やり」について


今回は全ての基本である「水やり」について、おっちゃんとの小話スタイルで語っていくよ。
水やりで大切なこと

水やりで一番困るのが「どのくらいの頻度で行えばいいのか。」かなと思います。
よく「土が乾いてきたら、たっぷり」なんて言われるけれど、その感覚が慣れていないと、なかなか難しいもの。
ざっくりとした目安ですが、よく下記のように言われます。
春:2~3日に1回
夏:毎日
秋:2~3日に1回
冬:7~10日に1回

↑は一つの基準としては役に立つけれど、ただただ機械的に水やりをしていても、上手くいかないよ。
なぜなら、
地域や天候、育てている植物の種類、植え付け容器の大きさによって水やりの頻度は変わるからね。
大切なことは「果樹は生き物である」ことを深く意識すること。

どういうことや?

①「果樹は生き物である」ことを意識すると、自然と果樹の生態に興味のアンテナが向くようになる。
②光合成や蒸散について理解が進む。
③「植物がなぜ水を必要とするのか」に意識が向くようになり、水やりが上達する。
ってかんじかな。
暗記作業で機械的に水やりをしていても、水やりは上達しないからね。

奥深いな・・・

水やり三年って言葉もある通り、水やりは簡単に見えて奥深い作業だよ。
「果樹は生き物である」ことを深く意識し、果樹の生態に意識が向くと、
↓みたいなことを意識できるんじゃないかな?
水のあげすぎは何故ダメなのか

鉢植え果樹で意外と多い失敗が「乾くよりは、土が湿っていた方がいいだろう」と考えての、水のあげすぎ。
水のやりすぎは「根っこの活動の停滞」と「根腐れ」を引き起こすからね。
「ついつい水を与えすぎてしまって木が弱る」
「水が足りないと勘違いして、さらに水やり」
の負のらせんに陥ることがあるよ。注意!!
そもそも「根腐れ」とは?
①根の周囲の酸素が不足する(嫌気状態と言います)。
②根は呼吸が出来ずに活動が停滞。
③嫌気状態を好む嫌気性菌や通性嫌気性菌が活発になる。
④嫌気性菌たちが有機物(この場合、酸欠状態の根)を分解し腐敗させる。
⑤根腐れ発生!

ようは水のあげすぎにより発生する【鉢・プランター内部の酸欠】が原因ってこと!
根っこも呼吸してるからね!
おススメアイテム

水のやりすぎには要注意やな。
けど、水やりはしないといけんし・・・
栽培初心者でも分かる指標はないんか・・・

これに関しては「経験を積む」しかないところがあるけれど、水やりの経験値習得を早めるには「水分計」を使うのがおススメ!
「水分計の状態」と「植物の状態」を結びつけながら、栽培することで、「水やりの勘所の習得スピード」は格段に速くなると思うよ。
個人的おススメは「水やりチェッカー SUS TEE」
SUS TEEは水分計ではありませんが、視覚的に水分状態を確認できるため、気に入っています。
SUS TEEの良いところは↓の3つです。
①視覚的に水やりタイミングがわかる
②安い
③シンプルなデザイン



ぜひ一回試してほしい商品。
鉢の中が乾いているのか・水があるのかを視覚的に判断できるだけで果樹栽培は劇的に変わるよ!
「SUS TEAの状態」と「自分が思っている土の水分状態のイメージ」をすり合わせていくことで、水やりのタイミングを適切に見極める感覚を鍛えやすくなるよ。
水やりは時間帯も大切
【1 水やりのポイント】でも少し触れましたが、
夜間は蒸散活動が停滞するため、水やりの基本は朝です。

気温が上がり、日差しの強い日中に行うのは基本的にはあまりよくないね。
とくに夏!

なんで?

植木鉢の中は「おっちゃんが想像している以上に高温になるから」だよ。
強い日差しを受けたアスファルトってすごい熱いでしょ?
同じように植木鉢もけっこう熱くなっちゃうんだ。
そんな時に水をあげたら、植木鉢の中で水がお湯みたいになって、植木鉢の中はさながら「蒸し風呂状態」になっちゃう。
もちろん、そんな状態が果樹にとっていい環境なわけないから、根っこはすごいダメージを受けちゃうってわけ。

なるほど・・・

涼しい季節はそこまで気にしなくても影響は少ないけれど、夏は要注意!
普段から、涼しい時間帯(とくに朝)に水やりを行う習慣が大切かもね。

