渋柿 渋抜きのメカニズム

今回は渋柿 渋抜き(脱渋)のメカニズムについて語っていくよ。
ちょっと難しい話が出てくるかもだけど、理屈を知っていると捗ることもあるかも!
渋柿 渋みの正体
渋柿の渋みは【水溶性タンニン】と呼ばれる化合物が原因です。
水溶性はその名の通り、水に溶ける性質を持っているので、舌の味覚で渋さを感じます。

実は、渋抜きは、渋みのもと【水溶性タンニン】を除去しているわけではなく、水に溶けない【不溶性タンニン】に変化させているんだ。
水に溶けなくなると、舌の味覚で渋さを感じなくなるから、「渋が抜けた。」なんて言っているんだね。
渋抜きにはアルコールやドライアイス、干し柿など色々な方法があるけれど、これらの方法は全て水溶性タンニンを不溶性タンニンに変化させているんだ。

渋抜きのメカニズム
渋抜きで重要となるのがアセトアルデヒド。
アセトアルデヒドによって水溶性タンニンを不溶性タンニンに変化させる。
この点はアルコール脱渋・ドライアイス脱渋・干し柿ともに共通です。

アセトアルデヒド。
聞いたことある方も多いかもしれません。
二日酔いの原因物質と言われている物質だね!
このアセトアルデヒドをカキの中で作らせて、不溶性タンニンに変化させるっというのが脱渋の仕組み!
方法ごとにそのアプローチ方法が違うって感じ!
アルコール脱渋の仕組み
カキのヘタから吸収させたアルコールが酸化反応によって、アセトアルデヒドになり、そのアセトアルデヒドが水溶性タンニンを不溶性タンニンに変化させる。
これがアルコール脱渋の理屈です。
お酒の種類によって風味も変化するので、色々と試してみると面白いかも知れません。

アルコール脱渋はイメージしやすいかもね。
ドライアイス脱渋・干し柿の仕組み

【ドライアイス脱渋】と【干し柿による脱渋】
この二つって実はアプローチ方法は同じなんだ。
【ドライアイス脱渋】と【干し柿による脱渋】どちらも酸欠状態にすることで、
①呼吸反応を抑え、
②アルコール発酵を促し、
③作られたアルコールからアセトアルデヒドができ、
④そのアセトアルデヒドが水溶性タンニンを不溶性タンニンに変化させる。
といった流れです。

カキの果実も生き物なので、収穫後の果実の細胞は生きている。
カキの果実も細胞が生きるために呼吸を行い、エネルギーを作っているんだけど、
①酸素が無くなったり
②上手く酸素を取り込めなくなったりすると、
呼吸以外の方法(アルコール発酵)でエネルギーを作ろうとするんだ。

呼吸の場合、1分子のグルコースから38ATP(エネルギーのもと)が生成されるのに対し、
アルコール発酵の場合、1分子のグルコースから2ATP(エネルギーのもと)しか生成されないんだ。
ドライアイスや干す作業で強制的に酸欠状態を作ることで、アルコール発酵を促し、作られたアルコールからアセトアルデヒドが代謝され、水溶性タンニンが不溶性タンニンに変化する。
これがドライアイス脱渋・干し柿の仕組みの仕組みだよ!

理屈が分かると、視野が広がる気がするな。

それぞれの脱渋方法やおススメの脱渋方法についても、まとめているから見てみてね!

