カキ

渋柿 渋抜き(脱渋)方法について

yakumokaju

今回は渋柿 渋抜き(脱渋)方法について語っていくよ。

この記事はYoutube「果樹栽培ch」と連動しています。

動画の方が作業の雰囲気は伝わりやすいかもしれません。

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渋柿 渋抜き(脱渋)方法の種類

渋柿は渋み成分(水溶性タンニン)があり、そのままでは食べることができません。

渋み成分(水溶性タンニン)を渋みを感じない不溶性タンニンに変化させる、【渋抜き(脱渋)作業】が必要です。

渋抜き(脱渋)には主に

  1. アルコール脱渋
  2. ドライアイス脱渋
  3. 温湯脱渋

の3つがあります。

①アルコール脱渋

アルコール脱渋は、アルコール度数40度前後のお酒をヘタ部分に浸け、ビニール袋やジップロックなどで密閉保管する方法です。

保管温度・品種・収穫状況により渋抜き(脱渋)期間は異なりますが、【室温保管で1週間程度】が一つの基準です。

※温度が低いと期間が長くかかります。

使用するお酒は焼酎が多いですが、ウイスキー・ブランデーでも渋抜き(脱渋)可能です。

アルコール度数を高めることで渋抜き期間を短くした、渋抜き専用アルコールも販売されています。

②ドライアイス脱渋

果実重量に対し、1%のドライアイスを封入して、袋で密閉保管する方法。

ドライアイスが気化するため、実際には1%よりも少し多めの1.2~1.5%のドライアイスを封入すると失敗しにくい。

ポイントは下記の3つ

①ドライアイスがカキに直接触れると、カキが劣化するため、新聞紙などでドライアイスを包んで封入する。

②袋は0.1mm厚の少し厚めのものを使用する。

③脱渋期間は4日程度

③温湯脱渋

38〜40℃の温湯に果実を15時間程度浸漬する方法。

昔は浴槽にお湯を張り、渋柿をまとめてつける方法が家庭で行われていました。

脱渋時間は短いですが、脱渋後の品質低下が著しく、現在はほとんど行われていません。

メモ

干し柿も脱渋法の一つです。

その他、最近では高品質なカキを目指した「樹上脱渋法」の試験も行われています。

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おススメの渋抜き(脱渋)方法

おススメの脱渋方法はアルコール脱渋です。

理由は一番美味しいと思うからです。

一般に脱渋方法による食味は

アルコール>ドライアイス>温湯

とされます。

さらに、アルコール脱渋では使用するお酒で食味が変化します。

焼酎・ウイスキー・ブランデーなどが使用されますが、ブランデーでのアルコール脱渋が風味・糖度ともに最高だと思っています。

渋抜き作業については冒頭の動画を見てもらうのが、一番わかりやすいかも!

念のため、写真でも紹介します!

今回はベビーパーシモンで渋抜き
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①カキのヘタ部分にアルコールを数秒浸ける

②キッチンペーパーや新聞紙でカキをくるむ。

※ヘタ部分を上向きにして、保管すると渋が抜けやすくなる。

③袋やジップロックで密閉保管する。

※保管期間は室温で1週間程度が1つの基準。

③1週間密閉保管したカキがこちら!

アルコール脱渋による糖度の増幅感が伝わっていれば嬉しいです!

渋柿の渋抜きをお家でするときはぜひぜひアルコール脱渋を試してみてね!

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やくも果樹研究所 所長(中の人)
やくも果樹研究所 所長(中の人)
元果樹専門 農業技師
根域制限栽培を中心に研究中。

農業技師時代の専門はカキ・イチジク・ブドウ
好きな果物はキウイ・洋ナシ
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