水の移動をつかさどる【カリウムについて】

yakumokaju

今回は「重要肥料:カリウム(K)」について語っていくよ!

ちょっと難しい話が出てくるかもだけど、理屈を知っていると栽培管理が変わるかも!

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カリウム(K)について

カリウム(K)は窒素(N)・リン酸(P)と並んで重要な成分のひとつです。

肥料としては一般に「カリ」と呼ばれます。

カリウムの主要な働きは下記の3つです。

  1. 生命活動に必要な酵素の働きを助け、活性化させる補酵素
  2. 細胞内pH、イオンバランスの調整
  3. 気孔の開閉による蒸散コントロール

①生命活動に必要な酵素の働きを助け、活性化させる補酵素

カリウムの大きな役割【酵素を活性させる補酵素!】

酵素の構成成分として三大要素の一つ、窒素(N)が関わっているけれど、カリウムがないと活性化しない酵素も多いんだ。

例えば、呼吸や光合成には様々な酵素が必要だけど、カリウムがないと酵素が活性化しないから反応が進まない。

ざっくり言うと、生命活動に必要な酵素は窒素(N)で作られ、カリウム(K)で活性化するってこと!

近所のおっちゃん
近所のおっちゃん

窒素(N)とカリウム(K)はセットってことやな。

細胞内pH、イオンバランスの調整

③気孔の開閉による蒸散コントロール

細胞内pH、イオンバランスの調整

③気孔の開閉による蒸散コントロール

をまとめてざっくり言うと、

カリウムは【水の移動をつかさどっている】ってこと!

カリウムはカリウムイオンとして存在し、細胞内外のイオン濃度勾配を維持、浸透圧を調節しています。

【浸透圧を調整する。】ということは【細胞間での水の移動をつかさどっている。】ということです。

メモ

浸透圧と水の移動の関係

濃度の異なる二つの液体が半透膜(細胞膜など)で隔てられているとき、水は濃度の薄い方から濃い方へ移動し、濃度を等しくしようとする力が働きます。

この濃度を均一にしようとする力を浸透圧と言います。

カリウムによる浸透圧調整とそれに伴う水の移動のイメージは下記のとおりです。

1)

カリウムが水を移動させたい細胞へ移動し、水を移動させたい細胞の細胞液濃度を高めます(浸透圧を調整します。)

2)

浸透圧により細胞液濃度を平衡させる力が働き、水を移動させたい細胞へ水が流入してきます。

3)

1)2)を細胞間で行うことで、水の移動を行います。

近所のおっちゃん
近所のおっちゃん

植物は葉っぱの「蒸散」によって根っこから水を吸っとるんじゃが、この「蒸散」もカリウムの浸透圧調整が関わっとるで。

一言で言えば、「カリウムは水の移動をつかさどっている」これにつきるな。

メモ

蒸散と吸水の関係

【葉っぱの気孔から、水蒸気を排出する際に生じる負圧(引っ張る力)】と【水の凝集力】が、根からの吸水を促す原動力です。

根が水を吸い上げ、葉っぱから水蒸気として排出するのではなく、

蒸散によって、葉っぱから水蒸気を排出する際の引っ張る力で、根っこが吸水しているのです。

水の凝集力(水分子同士が引き合う力)と蒸散による負圧(引っ張る力)はとんでもないパワー!

木が何十メートルも高く成長できるのは、凝集力と蒸散によって何十メートルも上方向に水を引っ張っていけるってことだからね。

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肥料成分としてのカリウム(K)

カリウム欠乏・カリウム過剰による症状

カリウム(K)は水の移動をつかさどっているため、植物体内を移動しやすい元素です。そのため、欠乏すると、古い葉の先端から症状が現れます。

症状は①②の順番に発生します。

  1. 古い葉の先端・縁にから黄色化し、縁が枯れてくる。
  2. 枝葉根の生育不良

カリウム(K)が過剰となると、

  1. カルシウムやマグネシウムの吸収阻害を引き起こします。
メモ

カリウム過剰がカルシウム・マグネシウムの吸収阻害を引き起こす理由

土壌の粘土・腐食部は電気的にマイナス(-電荷)でカリウムやカルシウム・マグネシウム・ナトリウム・アンモニアなどの陽イオン(+電荷)を吸着する能力があります。

この陽イオン吸着量をCEC(Catiom exchange capacity:陽イオン交換容量)と言います。

CECが高いほど、塩基類の保持能力が高くなります(保肥力が高くなります)。

カリウムを過剰施肥すると、土壌の陽イオンが吸着できるスペースの多くをカリウムが占拠してしまい、カルシウムやマグネシウムといった他の陽イオンが土壌に吸着できるスペースが少なくなります。

結果、植物が吸収できるカルシウムやマグネシウムが少なくなり、カルシウム・マグネシウムの吸収阻害(カルシウム・マグネシウムの欠乏症)が発生します。

肥料管理の難しいところはここだよね。

土壌のCECの空き容量とその空き容量にどの要素をはめ込むか。】

このバランスを見極めるためには、一度土壌分析を依頼してみることをおススメするよ!

一度、土壌の状態をしっかり数値化すれば、【何が足りなくて何が多くなっているのか。これからの肥料管理はどうしたらいいのか。】の方向性が見えてくるからね。

地図があっても現在地が分からなければ、目的地にはつかない!

まずは現在地を確認しよう!って感じだね。

品目にもよるけれど、果樹栽培(落葉果樹)では一般に

元肥(12月~2月)

追肥(6月)

お礼肥え(収穫後)

に肥料を行うことが多いけれど、その際に化成肥料でカリウムを与えることが多いね。

元肥だと8-8-8が有名だけど、ここら辺は好みだね!

追肥は即効性でサッと効かせたい時が多いから、S604とか使うことが多いかな。(S604はネットで売っていなかったので、紹介できませんが、ホームセンターに大体あります。)

近所のおっちゃん
近所のおっちゃん

S604がホームセンターに売っていないときは、取り寄せしてもらえるで。

果樹栽培に迷ったらこれ!

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やくも果樹研究所 所長(中の人)
やくも果樹研究所 所長(中の人)
元果樹専門 農業技師
根域制限栽培を中心に研究中。

農業技師時代の専門はカキ・イチジク・ブドウ
好きな果物はキウイ・洋ナシ
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