植え付け・元肥の重要肥料【リン酸】について

今回は「重要肥料:リン酸(P)」について語っていくよ!
ちょっと難しい話が出てくるかもだけど、理屈を知っていると栽培管理が変わるかも!
リン酸(P)について
①②細胞膜・核酸(DNA・RNA)の構成成分

①細胞膜の構成成分
②核酸(DNA・RNA)の構成成分
をまとめてざっくり言うと、
リン酸は【細胞分裂に大切な要素】ってこと!
リン酸は開花や結実、果実肥大を促進するから「実肥(みごえ)」とも呼ばれているけれど、その理由は、
花や果実・種子といった植物にとって最も重要な部分は、成長時期に積極的な細胞分裂を行うから、リン酸が重要になるって感じだね。
他にも積極的な細胞分裂が行われる部位として【根っこ】があるんだ。
つまり、リン酸は根っこの成長にも大きく関わっているってこと!
「実肥(みごえ)」のイメージが強くなりすぎて、あまり知られていないけれど、根っこの成長にリン酸は超重要!
リン酸が十分量ないと、根っこの細胞分裂が少なくなって、結果、枝葉の成長も少なくなるんだ。

リン酸は栽培にめっちゃ大事よな。
③呼吸やエネルギー伝達にかかわる

③呼吸やエネルギー伝達にかかわる
についてざっくり言うと、
リン酸は【生命活動に必須なATPの構成成分】ってこと!
ATPは植物問わず、生物が生命活動を行うためのエネルギーとして利用されている物質。
リン酸がないと、植物は光合成も水・養分の移動もできない。
そのくらい重要なエネルギー物質「ATP」の材料なんだ。

通貨がお金のやり取りに使われるように、ATPは細胞内の様々な活動に共通してエネルギーを供給できるから、ATPは「生命のエネルギー通貨」とも呼ばれるな。
それぐらい生き物には重要な物質の構成要素なんや。
肥料成分としてのリン酸(P)
土壌中のリン酸と施肥
じつは、土壌中に含まれる全リン酸は大量にあります。
しかし、リン酸の多くは土壌に強く吸着固定されているため、植物が利用できる部分は少なく、全リン酸の1/5から1/20とされます。
そのため、植え付け時や(冬~春先に)元肥として施肥を行う必要があります。
施肥したリン酸も時間とともに土壌に強く吸着固定されるため、毎年元肥でリン酸の供給を行います。

施肥したリン酸は、土壌中のアルミニウムや鉄などと強く結合して、植物が吸収できない形態に変化するんだけど、
堆肥などの有機物があると、堆肥の腐食酸、有機物などがアルミニウムや鉄と結合し、リン酸が植物に吸収されやすくなるんだ。
これを「リン酸肥料の可給化」というよ。
肥料管理だけじゃなくて、土壌改良も大切ってことだね。
リン酸を与える時期
リン酸は細胞分裂に重要な要素のため、細胞分裂が盛んな時期に多く必要とされます。
一般に、根っこの成長時期(春~夏・秋~初冬※特に春~夏)に、リン酸がしっかり効いているかが【根っこの成長】≒【地上部の成長】に大きく関わるため、(冬~春先に)元肥で十分にリン酸を与えることが重要です。

リン酸が不足した土壌では生育が極端に悪くなるね。
リン酸は【必要な時期(ここが重要)】に【土壌中に吸収できる形(ここも重要)】でしっかりあることが大切なんだ。

植え付け時は【ようりん】を植穴に加えて、植え付け初期の根っこ成長を加速!

元肥の時は↓みたいな化成肥料を与えよう!
8-8-8が有名だけど、ここら辺は好みだね!

肥料成分:リン酸(P)の基礎はこんな感じやな。
