鉢植えラズベリー栽培(植え付け~初収穫)

yakumokaju

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ラズベリー栽培概要

「枝葉が元気に成長すれば、果実がなる」・「病害虫被害があまりない」ことから、気軽に栽培できます。

果実の成熟期・収穫期がちょうど梅雨と重なることが多く、「雨による果実の傷み」・「傷んだ果実から病気・カビが発生」することがある。

と栽培の敵は雨ですが、

鉢植え栽培であれば軒下やベランダで、簡易雨よけも容易のため、栽培難易度はグッと下げることができます。

「完熟果は傷みやすく、市場には冷凍や加工されたものぐらいしか出回らない」といった理由から、お家で栽培するメリットも大きい品目です。

可愛らしい花や果実は「見て」・「飾って」・「味わって」と様々な楽しみがあります。

●栽培適地:冷涼な地域(関東以北)

※夏季に冷涼な気候を好むため、寒冷地が栽培適地ですが、その他地域でも栽培は可能です。

この記事はYoutube「果樹栽培ch」と連動しています。

動画の方が雰囲気は伝わりやすいかもしれません。

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鉢植えラズベリーの栽培管理

鉢植えラズベリーの栽培管理はお手軽です。

4月~5月に発芽・成長してきた枝を、支柱に這わせたり・固定しながら大切に管理していけばOKです。

肥料は緩効性肥料を3月・6月・9月にあげればOKです。

足りないなと感じた際は必要に応じて、速効性の肥料や有機質肥料を与えます。

6月~7月の初夏のみ収穫できる一季なり品種、

6月~7月と9月~10月の年2回収穫できる二季なり品種があります。

ラズベリーの多くの品種は小さなトゲがあります。

作業するときにトゲで怪我をすることがあるため、作業時は必ず手袋を使用しましょう。」

栽培見本として、一季なり品種のラズベリーを鉢植えで栽培してみたよ。

【4/20 植え付け後のラズベリー】

6/29の様子

植え付け1年目は枝の誘引もほとんど必要ないかもしれないね。

↑の鉢植えラズベリーもイボ竹支柱を1本挿して、株がぐらつかないように固定しているだけだよ。

メモ

ラズベリーは品種によって枝の伸び方に違いがあり、4つの樹姿に大別されます。

栽培上大きな影響はありませんが、栽培品種がどのグループなのかを知っておくと、枝の管理がイメージしやすくなります。

①直立性:枝がまっすぐ上方向に伸びる

②下垂性:上方向に伸びた枝の先端が垂れてくる

③開張性:株に対して枝が開き気味に伸びる

④ほふく型:枝が地をはうように横に広がる

そのまま冬まで栽培管理すると、

2/25の様子
開張性品種のため、枝が開いているのが分かる。

株本から何本か枝が発生しているのが分かるね。

ラズベリーは地下茎から新しい枝・株が発生することで木が大きくなるんだ。

株本や枝から発生する枝を「シュート」

親株から離れたところに発生する小株を「サッカー」と呼ぶよ。

※名称は覚えなくても問題ありません。

↑の場合は株本から新しい枝が発生しているから「シュート」がいくつか発生しているってことだね。

メモ

ラズベリーの成長サイクル(一季なり品種の場合)

ラズベリーの枝(シュートやサッカー)は

1年目:発生・成長

2年目:6月~7月に果実をつけた後、枯れる。

1株の中で1年目の枝・2年目の枝がたくさん入り混じりながら、このサイクルが繰り返されることで、毎年果実をつけていきます。

ラズベリーの成長サイクル(二季なり品種の場合)

ラズベリーの枝(シュートやサッカー)は

1年目:発生・成長、9月~10月に果実をつける。

2年目:6月~7月に果実をつけた後、枯れる。

2年目に果実をつけた後、枯れていくのは一季なり品種と同じですが、1年目から9月~10月に果実がなるのが特徴です

1年目の果実をつけた段階では枯れずに越冬・2年目に果実をつけた後、枯れていきます。

植え付け2年目 5/31の様子
植え付け2年目 5/31の様子

植え付け2年目になると、1年目に発生した枝に花が咲いてくるね。

ラズベリーの花は花びらがとても小さく、控えめなかわいい花。

花が果実になってきた様子
果実が成長すると・・・

収穫時期には宝石みたいな果実がいっぱいなるよ!

植え付け2年目 6/22の様子

6月~7月に果実をつけた枝はその年のうちに枯れてしまうけれど、来年果実をつける枝が並行して成長しているんだ。

ラズベリーを栽培していると、そんな命のリレーみたいなものを感じるね。

メモ

植え付け2年年目からせん定作業を行います。

作業適期:12月下旬~2月下旬

せん定と聞くと難しく感じますが、必ず押さえておきたいポイントは1つです。

①6月~7月に果実をつけ、枯れた枝は根元から間引く。

このポイントを押さえておけば、大きく木が荒れることは少ないでしょう。

ポイント

枯れた枝の見分け方

枯れた枝は灰色になっています。

枯れていない枝と色味が異なるため、見分けるのは簡単です。

もし、枝が枯れているか分かりにくければ、枝の先端を軽く切り返してみましょう。

枝の切り口を観察し、緑色の部分があればその枝は生きています。緑色の部分がなく、中心部まで茶色い場合はその枝は枯れています。

↓の枝はラズベリーではありませんが、生きている枝と枯れている枝を見分ける参考になるかもしれません。

生きている枝
切り口断面が緑色
枯れている枝
枝中心部まで茶色い

ここまで読んでくれた方に、

最後におススメの書籍をご紹介!

このの一冊で家庭ラズベリー栽培はほぼOK!

鉢植えブラックベリー栽培についてもまとめているから見てみてね!

鉢植えブラックベリー栽培についてはこちら!
家庭果樹おススメ品目!「ブラックベリー」
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やくも果樹研究所 所長(中の人)
やくも果樹研究所 所長(中の人)
元果樹専門 農業技師
根域制限栽培を中心に研究中。

農業技師時代の専門はカキ・イチジク・ブドウ
好きな果物はキウイ・洋ナシ
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