モモ

鉢植えモモ栽培 栽培ガイド

yakumokaju

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収穫を目指して!

植え付け2年目の管理

植え付け1年目に順調に生育していれば、植え付け2年目から少しずつ収穫を狙えます。

木の状態を見ながら、収穫を目指して管理していきましょう。

栽培管理のポイントは下記のとおりです。

  1. 追肥(3月)
  2. 摘果(果実の成長にあわせて随時)
  3. 収穫(収穫適期になったら

木の生育が思わしくない場合は、植え付け2年目も枝葉の成長に注力するため、果実はならしません。

植え付け2年目になると、花がたくさん咲きます。

植え付け2年目の作業①

追肥(元肥)(3月

春の追肥(元肥)について

地植え栽培の場合、「春の元肥え」で年間肥料の大部分を与えますが、

鉢植え栽培の場合、肥料の流亡(養分が鉢から流れ落ちていくこと)が起きやすいため、こまめな追肥で肥料管理します。

●肥料の種類:緩効性肥料

●肥料の量:肥料の種類によって散布量が変わるため、各肥料記載の使用量を参照してください。

植え付け2年目の作業②

摘果(果実の成長にあわせて随時)

花が咲いた後は、果実がなり始めます

鉢植えモモ栽培では、ついた果実を全てならすことはできません。

果実をならしすぎると「木の衰弱」・「果実が美味しくならない」といった問題が発生します。

適正着果量について

モモには「適正着果量」というものがあります。

品種にもよりますが、「果実1個あたり葉っぱ50枚~60枚」の着果量が基準とされることが多いです。

適正着果量を超えて果実をつけると、果実が美味しくないだけでなく木が弱ります。

摘果で適正着果量に調整していきましょう。

モモには「生理落果」と言って、自然に果実が落ちる現象があります。

一度の摘果で適正着果量まで間引いてしまうと、生理落果が発生した際、収穫量が予定よりも少なくなります。最悪収穫できなくなるかもしれません。

摘果は段階的に進めましょう。

樹上選果(樹にならしながら果実の良し悪しを見極め、摘果をすること)の意味でも段階的な摘果はメリットが大きいです。

1回目:粗摘果(不受精果や明らかに生育が劣るものを間引く。)

2回目:本摘果(生育が劣るものや奇形果を間引く。)

3回目:仕上げ摘果(果面の汚れがあるものを優先して間引き、適正着果量へ調整する。)

といったイメージで摘果を進めるとよいでしょう。

【 摘果(1回目)】

1回目の摘果で着果量を大きく制限します。

明らかに生育が劣るものは全て落としてしまいましょう。

※写真は5月上旬の様子です。

摘果

【 摘果(2回目)】

果実の良し悪しが分かってきたら本摘果を行います。 

「果実1個あたり葉っぱ50枚~60枚」を意識しながら作業しましょう。

※写真は5月中旬の様子です。

生育の悪い果実
生育の良い果実

【 摘果(3回目)】

「樹上選果」の総仕上げです。

「良い果実に養分を集中させる」という目的を心に強く持って、ためらわず作業を行います。

※写真は6月末の様子です。

植え付け2年目の作業③

収穫(収穫適期になったら

今までの栽培管理の集大成です。

収穫タイミングは品種によって異なります。

おススメ品種の場合

●「あかつき」:7月上旬~8月上旬 

※地域・天候によって収穫時期は変動します。

●「はなよめ」:6月中旬~7月上旬 

※地域・天候によって収穫時期は変動します。 

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まとめ

回の栽培見本樹は「袋掛け」・「薬剤散布無し」で栽培してみました。

これはモモ栽培では珍しいことだと思います。

確実に薬剤散布無しで栽培できるわけではもちろんありませんが、栽培ガイドに沿って、栽培いただくことで、失敗のリスクは減らせると思います。

品種「あかつき」について

モモの中生代表品種です。収穫時期は7月上旬~8月上旬。

「食味は最高クラス」・「1本でなり豊産性」・「袋掛け無しでも栽培可能」と優等生品種です。

初めてのモモ栽培で品種に迷ったら、まずこの品種をおススメします。

品種「はなよめ」について

6月中旬~7月上旬に収穫できる極早生品種です。

少し小ぶりな品種ですが「1本でなる」・「袋掛け無しでも栽培可能」と栽培しやすいことが特徴です。

鉢植え栽培について

モモは過湿に特に弱いため、地植えの場合水はけの悪い不適地では上手く生育しません。土づくりも必要で継続して土壌改良を行うことが望ましいです。

鉢植え栽培の場合、「水はけが良いこと」・「すでに完成した培養土を使用できる」ことから、この問題が解決できます。

コンパクトに栽培もできるため家庭果樹向きです

雨よけ栽培

雨で伝播する病気も多いため、雨除けできれば病気のリスクはグッと減ります。

雨よけしないとモモ栽培できないわけではありませんが、簡易でも良いので、軒下やベランダなどで雨よけ栽培できると、管理がかなり楽になります。

病害虫被害が発生した場合は、必要に応じて薬剤散布を行う必要があります。

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やくも果樹研究所 所長(中の人)
やくも果樹研究所 所長(中の人)
元果樹専門 農業技師
根域制限栽培を中心に研究中。

農業技師時代の専門はカキ・イチジク・ブドウ
好きな果物はキウイ・洋ナシ
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