モモ

鉢植えモモ栽培 栽培ガイド

yakumokaju

第3章:植え付け1年目の管理

近所のおっちゃん

ほんまにそれだけ? ちょっと半信半疑なんじゃけど・・・

初めてのモモ栽培だとその気持ちも分かるけど、まずはこのイラストを見てみて!

そして「開心自然形」の骨格枝は3本~4本! だから「3本~4本の枝を伸ばせ!」ってわけ。

近所のおっちゃん

ちなみに「等間隔」ってのは?

下のイラストは開心自然形(骨格枝3本)を簡易的に描いたものだけど、等間隔に枝が出ている方が分かりやすくて素敵だと思わない?

近所のおっちゃん

 なんとなくイメージついたわ。

4月~5月:摘果(着果した場合のみ)

幼果まで成長させることは、骨格枝育成の観点からみれば「養分の無駄」です。

「花は2年目以降に楽しむ」と割り切れる場合は「摘果」ではなく「摘花」・「摘蕾」を行いましょう。 

キーワードは「間引くなら幼果よりも花。花よりも蕾」です。

近所のおっちゃん

なんかもったいないなぁ。せっかくだし1個くらいならせても・・・。

ダメだよ、おっちゃん。

無理にならしても「収穫前に自然落果するか」・「収穫できても美味しくないか」の2択!

木を弱らせるだけだから、来年への投資だと思って諦めよう。

近所のおっちゃん

仕方ないな。 諦めよう・・・

残念だけど仕方ないかな。

近所のおっちゃん

 今回、果実になるまで待ってたのはなんで?

モモの花をぎりぎりまで楽しみたかったから!

そうこうしてたら、幼果まで成長しちゃってたんだ・・・

植え付け1年目でも花を楽しめることがあるけれど、収穫までしようと思ったら絶対ダメ!名残惜しくても、スパッと摘果しよう!

近所のおっちゃん

・・・モモの花きれいじゃもんな。 

 5月~6月:枝の誘引・追肥

5月になると枝が伸び始めるね。

さて、おっちゃん。

今回は「開心自然形」に仕立てていくわけだけど、樹形の完成形のイメージって湧いてる?

近所のおっちゃん

全然湧いてないで!

おっちゃんのそういう素直なところいいよね。

じゃあ、まずは樹形の完成形イメージを膨らませようか。

樹形イメージは上のような平面図やイラストで紹介されることが多いけれど、いまいちイメージしにくいと思うんだよね。

ということで、今回はおっちゃんのために「開心自然形の模型」を作ってみました!

実物だとこんな感じ!

近所のおっちゃん

おお!! 

めっちゃ分かりやすいやん!  ホンマありがとうな!

おっちゃんのためならいいってことよ!

じゃあ「開心自然形」のイメージも膨らんだところで、誘引作業をしていこうか。

5月になり枝が少しずつ伸び始めてるけど、おっちゃん的には下の写真を見て、どこか気になる枝ある?

近所のおっちゃん

さっきの模型と比べると・・・ 

この枝の角度が上向き過ぎるのがちょっと気になるな。

じゃあ、この枝の角度が寝ていくように誘引していこう!

誘引とは

誘引することで枝を伸ばしたい方向へと導き、植物の形を整えることができます。

「こまめに」・「無理なく」誘引を行い、少しずつ誘引を進めるのが失敗しにくいコツです。

この時期の誘引は「枝の方向の癖付け」的な意味合いが強いね。

近所のおっちゃん

「枝の方向の癖付け」?

枝が完全に固まる前であれば、枝の伸びる方向をある程度誘導できるよね。

「誘導した状態」である程度時間が経過すると、枝はその状態で固まるんだ。

この枝の伸びる方向を誘引によって誘導し固めることを「枝の癖付け」と呼んでいるよ。

近所のおっちゃん

なるほど。なんとなくだけど言いたいことは分かったわ。

よかった! じゃあついでに「追肥」もやっちゃおう!

6月ごろになると、植え付け時にあげた緩効性肥料が切れてくるからね。

「追肥」について

●追肥タイミング:6月

●肥料の種類:速効性肥料緩効性肥料どちらでも大丈夫です。ここはお好みで。

●肥料の量:肥料の種類によって散布量が変わるため、各肥料記載の使用量を参照してください。

7月~8月:追肥

近所のおっちゃん

そうやな。だいぶモモの木らしくなったんじゃないか?

木の様子をみて、肥料が足りてなさそうなら追肥をしておこう!

近所のおっちゃん

なんや? 5月~6月に追肥したのにまた追肥するんか。

近所のおっちゃん

ちなみに、必要ないってどんな場合? 参考までに教えてや。

枝の生育旺盛度を指標にするとイメージしやすいかも!

「追肥」について

●追肥タイミング:7月~8月

●肥料の種類:速効性肥料。

●肥料の量:肥料の種類によって散布量が変わるため、各肥料記載の使用量を参照してください。

これ以降も肥料を効かせると枝が秋以降も伸び続け、「枝の充実」ではなく「枝の徒長」に養分が使用されます。⇒結果、枝の充実が遅れます。

12月下旬~2月下旬:せん定

12月下旬~2月下旬はせん定適期! 早速せん定していこう!

 ね? 植え付け1年目は枝を3本~4本 バランスよく伸ばすだけだったでしょ?

近所のおっちゃん

せやな!  この調子で2年目もよろしく頼むわ!

ということで、植え付け1年目の作業まとめ!

植え付け1年目 作業のポイント

●3~4月に春植え。

●発芽後は3本~4本の枝を選抜し、誘引を行いながら樹形を調整していく。

 ※最初に樹形の完成形をイメージすることが大切。 

 ※悩んだら完成形のイメージに立ち返ろう。

●枝の成長にあわせて追肥を行う。 

 ※肥料の量は「気持ち少なめ」が失敗しにくいコツ。

●せん定は「骨格の邪魔となる枝を間引く」・「枝の先端を軽く切り返す」

 ※先端の芽の向きに注意。

【女性は小さめの180mm NO.101】・【男性は通常サイズの200mm NO.103】がおススメです。

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やくも果樹研究所 所長(中の人)
やくも果樹研究所 所長(中の人)
元果樹専門 農業技師
根域制限栽培を中心に研究中。

趣味は「果樹栽培を始めてよかった」を集めること。

農業技師時代の専門はカキ・イチジク・ブドウ
好きな果物はキウイ・洋ナシ
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