「お手軽に果樹を栽培したい」
「植え付けから収穫まで何年も待てない」
といった方におススメの品目です。
イチジクは日持ちが悪いため、完熟イチジクがほとんど市場には出回らないこともおススメポイントです。
完熟イチジクを食べるためには自分で栽培するのが一番の近道です。
個人的におススメしたい品目No2!
品目一覧はこの記事をチェック。
より詳しく知りたい場合はこちらの本がおススメ!
イチジク栽培の難易度や栽培概要はざっくりこんな感じ!
「桝井ドーフィン」を「鉢植え」で「一文字仕立て」にするのが一番簡単だと思うよ。
栽培難易度:■□□□□(易しい)
収穫時期(夏果):6月下旬~7月下旬
収穫時期(秋果):8月下旬~10月下旬
収穫までの必要年数(鉢植え):1~2年
収穫までの必要年数(地植え):2~3年
おすすめ品種:
桝井ドーフィン、蓬莱柿(ほうらいし)、ビオレ・ソリエス、ザ・キング、コナドリア
栽培適地:全国(基本的に全国で栽培可能)
1品種でなるか:〇(1品種でなる)
おススメ仕立て方:開心自然形、一文字仕立て
※品種による
栽培テキストも販売中!
詳しくはSHOPをご覧ください!
①とにかく栽培しやすい
②完熟果を食べるには栽培するのが一番
③市場流通品種と品種数のギャップ
おススメポイント① とにかく栽培しやすい
イチジクは数ある果樹品目でとくに栽培が簡単だと思うよ!
初めての果樹栽培で悩んだら「イチジク」はおススメ!
おすすめポイントは次の5点。
①「着果習性」を意識しなくてもよい
②植え付けから収穫までの年数が短い
③病害虫被害が少ない
④1本でもなる
⑤栽培可能地域が広い(基本的に全国で栽培可能)
①「着果習性」を意識しなくてもよい(夏果品種を除く)
「着果習性 = 果実のなりかた」 と考えてください。
果樹はそれぞれの品目に合わせた枝管理をしないと着果量が安定しません。
ただし、イチジクの場合はそれを気にする必要がありません。
ざっくり言ってしまえば枝さえ伸ばしていけば果実がつきます。
↓こんなイメージです。
※夏果品種の場合、去年伸びた枝(2年枝)に果実をつけるため注意が必要です。
着果習性についてはこの動画を見てもらうとイメージしやすいかも!
②植え付けから収穫までの年数が短い
早ければ植え付け2年目から収穫が可能です。
収穫まで何年も待つのはモチベーションの維持が難しいので「植え付け2年目から収穫できる」というのは大きなメリットです。
大体植え付け3年~4年目から着果が安定してきます。
③病害虫被害が少ない
イチジクは病害虫被害が少ないため、
無農薬で栽培していても特に問題なく収穫まで楽しむことができます。
【キボシカミキリ】
【カミキリムシ被害を受けた枝】
④1本でなる
果樹はスペースを取りやすいため、1本で果実がなるのは大きなメリットです。
これって普通じゃないん?
そんなこと無いよ。
果樹は1本では「結実しない」・「結実しにくい」品目・品種が意外と多いんだ。
その場合は受粉樹と言って受粉を促すための品種も一緒に植えるんだけど、1品目で2本以上植えるのは負担が大きいよね。
だから、「1本でも果実がなる」っていうのは大きなメリットだよ。
⑤栽培可能地域が広い
イチジクは様々な品種があります。
品種を選べば基本的に全国で栽培可能な品目です。
「栽培したいけど、栽培適地でないから諦める」といったことはほとんどありません。
おススメポイント② 完熟果を食べるには、栽培するのが一番
イチジクは果樹の中でも特に日持ちしない品目です。
品種にもよりますが収穫してから2~3日もすれば傷んできます。
そのため市場流通しているイチジクは日持ち性を高めるため少し早取りする傾向にあります。
早取りがいけないのではなく消費者に安全に届けるためにそうしています。
ですが、イチジクは完熟が美味しいのです。
完熟イチジクと早取りイチジクではもはや別の果物です。
完熟果の方が蜜がのっており食感もなめらかです。
糖度・風味も完熟果の方が上です。
完熟イチジクはとても美味しいのですが、
スーパーにはなかなか出回らないため、BESTな状態のイチジクに出会える人は少ないでしょう。
それがイチジクをマイナー果樹にしている大きな理由かもしれません。
ぜひ、お家で栽培し完熟イチジクを楽しんでもらえればと思います。
ぜひ「完熟イチジク」を体験してほしい!!
おススメポイント③ 市場流通品種と品種数のギャップ
イチジクはとても品種数の多い品目ですが、市場流通品種は「蓬莱柿(ほうらいし)」・「桝井ドーフィン」の2品種でほぼ独占されています。
最近は福岡県のオリジナル品種「とよみつひめ」が少しずつ増えてきていますが、品種の多様さと市場流通品種数に大きなギャップがあります。
「新しい品種に出会うには自分で栽培しなければ手に入らない」というのは、いい意味で栽培のモチベーションアップにつながるかもしれません。
イチジクは面白い品種がいっぱいあるから、ぜひ色々探索してほしいな!
①日持ちしない
②ハチが来る
注意ポイント① 日持ちしない
これがイチジク最大の欠点かな。
産地周辺以外にはあまり流通しないので、生イチジクを食べたことのない方も結構いらっしゃるかもしれません。
注意ポイント② ハチが来る
これは都市部というよりは郊外・山村部特有かもしれません。
イチジクは果肉ではなく、花の集合体を食べています。
そのため、ハチが蜜を集めに寄ってきます。
ハチが苦手な方は少し注意が必要かもしれません。
- 桝井ドーフィン
- 蓬莱柿(ほうらいし)
- ビオレ・ソリエス
- ザ・キング(夏果専用品種)
- コナドリア
①桝井ドーフィン
「栽培が簡単」・「収穫量が多い」・「日持ち性の良さ」から市場流通の7・8割を占める主要品種です。
地域にもよりますがスーパーで売られているイチジクのほとんどが桝井ドーフィンです。
栽培しやすく収穫量も多い品種です。
食味は普通ですが、とにかく栽培しやすいため、初めてのイチジク栽培であればおススメです。
②蓬莱柿(ほうらいし)
日本で最も古い品種とされています。
「桝井ドーフィンよりも栽培に手間がかかる」・「桝井ドーフィンと比べて日持ちしない」ことから市場流通は桝井ドーフィンよりも少ないです。
上品な甘みとほのかな酸味、特有の風味からファンの多い品種です。
寒さに強いため寒冷地でも栽培可能です。
③ビオレ・ソリエス
黒イチジクと呼ばれるように果皮は黒紫色で見た目も特徴的な品種です。
糖度は20度以上にもなるものもあり、甘味が非常に強い品種です。
甘いだけでなく、肉質・風味に優れるとても美味しい品種です。
栽培の難しさから、日本ではほとんど栽培されていません。
④ザ・キング
イチジクには珍しい6月下旬ー7月下旬に収穫される品種です。
果皮の色は緑色で一見甘く見えませんが、
「肉質のなめらかさ」・「高い糖度」から食味は非常に優れます。
舌ざわりのなめらかさ・さっぱりとした風味からイチジク界のアイスクリームと例えられます。
「栽培方法が一般的なイチジクと異なる」
「収穫を安定させることが難しい」
ことから栽培面積はあまり多くありません。比較的珍しいイチジクです。
⑤コナドリア
豊産性でたくさん収穫できる品種です。
甘みと酸味のバランスが取れた美味しいイチジク。
果皮は鮮やかなライトグリーン、果肉は桃色と見た目のコントラストも美しい。
サッパリしているため、イチジクの苦手な方でも美味しく食べてもらいやすいのも魅力。
初めて果樹栽培をする時に恐らく一番悩むのが仕立て方です。
果樹栽培では着果習性を利用しながら品目ごとに仕立て方を変えていきます。
イチジクは着果習性を意識しなくてもいいのが魅力だね。
ただ管理しやすい仕立て方はもちろんあるよ!
おススメは
●一文字仕立て
:「桝井ドーフィン」、「ザ・キング」、「コナドリア」
●開心自然形
:「ビオレ・ソリエス」、「蓬莱柿」
それぞれにメリット・デメリットがあるから詳しくは下の一覧表・図を参照!
【開心自然形のイチジク】
【一文字仕立てのイチジク】
今回は個別品目紹介:イチジク
ということでイチジク栽培を始める前の概要についてさらっとお話ししました!
イチジク栽培のまとめはこちらの記事をチェック。
品目一覧はこの記事をチェック!