今回は「プランター栽培 リンゴ・ナシ(植え付け1年目)のせん定」についてざっくり語っていくよ。
リンゴ・ナシ栽培のまとめはこちらの記事をチェック!
せん定の時期と目的
■時期
12月下旬~2月下旬
■目的(植え付け1年目のせん定の場合)
〇樹形の調整(骨格枝の育成)
本来、せん定には色々な目的があるけれど、
植え付け1年目(エスパリエ仕立て)の場合、目的はほぼ樹形の調整。
リンゴ・ナシの着果習性
果樹栽培は「いかにして高品質の果実を安定して収穫するかどうか」を最大目標とします。
そのためには、果実がどのように着くのかを知る必要があります。
しかし、当面は着果しないため、植え付け1年目のせん定では着果習性は意識する必要がありません。
せん定の作業手順(概要)
植え付け1年目のせん定はとてもシンプルです。
〇育成中の骨格枝が旺盛に生育するように枝の先端を軽く切り返す。
基本的にこれだけです。
本当はナシでもご紹介したかったけれど、
枝の成長が遅いので比較的順調なリンゴを例にエスパリエ仕立て(植え付け1年目)のせん定手順についてご紹介!
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せん定作業はこれで完了!
植え付け1年目のせん定はこれだけ!
簡単だけど、「やる」と「やらない」で来年の生育に大きく差が出る作業だよ!
ここからは補足説明!
少し専門的な内容なので、難しい場合は読み飛ばしてください。
骨格とする枝を軽く切り返す理由
骨格枝を旺盛に成長させるため。
なぜ、枝を切り返すと切り返した枝の成長が旺盛になるのか。
の詳しい理解には、
●せん定の強弱による木の反応の違い
●「切り返しせん定」と「間引きせん定」による木の反応の違い
を理解する必要があります。
せん定の強弱による樹の反応の違い
せん定の強弱による樹の反応の違いについてですが、樹の地上部分をいくらせん定しても地下部=根っこの量は変わりません。
つまり、養分の供給量はほとんど変わらないということです。
例えば、ある1つの枝に芽が10個ついており、その枝に供給される養分量が「100」だとすれば、芽1つ当たりに供給される平均養分量は「10」となります。
※頂芽優勢の特性を無視した仮定での話です。
枝を強く切り芽の数を4つにしてしまえば、芽1つ当たりに供給される平均養分量は「25」となります。
当然供給養分量が多くなるため、1本あたりの新梢成長も強まります。
反対に、枝を弱く切れば芽1つ当たりに供給される平均養分量が少なくなるため、1本あたりの新梢成長は緩やかになります。
枝の切り方の違いと木の反応
せん定の強弱についてお話ししましたが、枝には切り方の違いもあります。
枝の切り方は大きく
「切り返しせん定」
「間引きせん定」の2つがあります。
切り返しせん定:枝を途中で切り返す方法
間引きせん定:枝を根元から切る方法
イラストはどちらも枝の約50%をせん定した場合です。
ですが、枝の成長具合は大きく違います。
このように枝の切り方でも木の反応は大きく異なります。
「切り返しせん定」は
① 先端部を強く伸ばして枝を育てる。
② 枝の先端を弱らせない
③ 先端が下垂した枝・弱くなった枝の勢力を回復したい
といった目的で用いられます。
「間引きせん定」は
① 込み合った部位の枝を取り除く
② 勢力が競合した枝を切除する
といった目的で用いられます。
以上のことを理解しておくと、
せん定での枝の切り返し・間引きの使い分けも理解できると思います。
補足説明は以上!
●骨格となる枝(水平に伸ばしている枝)の先端を軽く切り返すだけ。
●樹形の完成形高さまで苗木を切り縮めておくとさらにGOOD。
●生育が順調でない場合は、焦らず枝を出しなおす。
※この心構えが重要!!
今回は「プランター栽培 リンゴ・ナシ植え付け1年目)のせん定」についてざっくりご紹介しました。
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