カキ重要病害「落葉病」 症状と対応策について


今回はカキの重要病害「落葉病」について、おっちゃんとの小話スタイルで語っていくよ。

どうしたもんか・・・

おっちゃん、どうしたの?

実は、カキの葉っぱになぞの斑点がでてきてな。



あー。これは「落葉病」だね。

落葉病?
落葉病の症状

名前のとおり、葉っぱが落ちる病気だよ。
葉っぱに病斑が発生、徐々に病斑が拡大し、落葉させてしまうのが特徴だね。
被害を受けると、本来落葉しない時期(9月頃)から葉っぱがどんどん落ちてしまうんだ。




落葉病とは?
①
葉っぱに感染・発病し、病斑を形成する。
症状が進むと病斑が多数形成され、葉っぱを黄変・落葉させる。
②
発病すると、落葉期を待たずに葉っぱが落葉していくため、果実肥大の悪化や早期着色による糖度不足、軟果の原因となる。
光合成能力の低下により、養分貯蔵にも影響を与えるため、翌年の生育にも影響する。
角斑落葉病と円星落葉病

落葉病・・・
恐ろしい病気やな。

カキ栽培においては重点防除したい病気だね。
果樹において葉っぱは養分合成の要。
その葉っぱを落とさせる怖い病気だからね。
ちなみに落葉病には種類が2つあって、それぞれ特徴が違うんだ。
角斑落葉病
●名前の通り、多角形の病斑ができる落葉病。
●感染時期は6月~7月
●感染後、30日程度の潜伏期間をおいて発病する。
→発病時期は7月下旬~
●発病した葉っぱが感染源となって二次感染が繰り返され、症状が木全体に及ぶ。
●円星落葉病よりも症状は緩やか。

円星落葉病
●名前の通り、円形の病斑ができる落葉病。
●感染時期は5月~7月
●感染後、60日~120日の潜伏期間をおいて発病する。潜伏期間が角斑落葉病よりも長い。
→主な発病時期は9月~
●角斑落葉病と違い、二次感染はしない。
●円星落葉病よりも症状は激しく、発病すると9月下旬ごろから激しく落葉する。


落葉病の被害を抑えるためには

感染時期に薬剤散布を行う! これが大切!
角斑落葉病は6月~7月。
円星落葉病は5月~7月。
に定期的な薬剤散布を行って、予防に努めること!

やっぱり適期の薬剤散布が大切なんじゃな・・・
おススメの薬剤とかあるんか?

発生時期・地域によって、どの薬剤を使用するかは変わってくるから、「この薬剤を使用しておけば間違いない!」というのは少し言いにくいね。
あくまでも参考程度だけど、個人的には「オンリーワンフロアブル」を使ったりすることが多いかなぁ。

なるほどな。
薬剤散布以外の対策とかあるんか?

そうだねぇ。
病原菌は発病し落葉した葉っぱ内部で越冬するんだ。
発病した葉っぱを放置していると翌年の感染源となるから、発病した葉っぱをきちんと処分(回収し捨てる・地面に埋めるなど)することも大切だね!
あとは落葉病は樹勢の弱った木で発病しやすいから、毎年感染被害を受けるようなら、肥料管理に気を使って、肥料切れが起きないようにしてみるのも大切だね。

ということで、今回はカキの重要病害「落葉病」についてお話ししました。
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