今回はカキの重要病害「落葉病」についてご紹介!
どうしたもんか・・・
おっちゃん、どうしたの?
実は、カキの葉っぱになぞの斑点がでてきてな。
あー。
これは「落葉病」だね。
落葉病?
落葉病の症状
名前のとおり、葉っぱが落ちる病気だよ。
葉っぱに病斑が発生、徐々に病斑が拡大し落葉させてしまうのが特徴だね。
被害を受けると、本来落葉しない時期(9月頃)から葉っぱがどんどん落ちてしまうんだ。
【落葉病の被害を受けて、落葉が進んだカキ(9月下旬の様子)】
【落葉病の被害を受けて、落葉が進んだカキ(10月中旬の様子)】
落葉病とは?
●葉っぱに感染・発病し、病斑を形成する。症状が進むと病斑が多数形成され、葉っぱを黄変・落葉させる。
●発病すると、落葉期を待たずに葉っぱが落葉していくため、果実肥大の悪化や早期着色による糖度不足、軟果の原因となる。また光合成能力の低下により養分貯蔵にも影響を与えるため、翌年の生育にも影響する。
角斑落葉病と円星落葉病
落葉病・・・
恐ろしい病気やな。
カキ栽培においては重点防除したい病気だね。
果樹において葉っぱは養分合成の要!
その葉っぱを落とさせる怖い病気だからね。
ちなみに落葉病には種類が2つあって、それぞれ特徴が違うんだ。
角斑落葉病
●名前の通り、多角形の病斑ができる落葉病。
●感染時期は6月~7月
●感染後、30日程度の潜伏期間をおいて発病する。
→発病時期は7月下旬~
●発病した葉っぱが感染源となって二次感染が繰り返され、症状が木全体に及ぶ。
●円星落葉病よりも症状は緩やか。
【角斑落葉病 病斑】
円星落葉病
●名前の通り、円形の病斑ができる落葉病。
●感染時期は5月~7月
●感染後、60日~120日の潜伏期間をおいて発病する。潜伏期間が角斑落葉病よりも長い。
→主な発病時期は9月~
●角斑落葉病と違い、二次感染はしない。
●円星落葉病よりも症状は激しく、発病すると9月下旬ごろから激しく落葉する。
落葉病の被害を抑えるためには
感染時期に薬剤散布を行う! これが大切!
角斑落葉病は6月~7月。
円星落葉病は5月~7月。
に定期的な薬剤散布を行って、予防に努めること!
発病してから薬剤散布をしても、既に木全体で感染していることがあるからね。
そもそも感染させないことが大切!
やっぱり適期の薬剤散布が大切なんじゃな・・・
おススメの薬剤とかあるんか?
発生時期・地域によって、どの薬剤を使用するかは変わってくるから、「この薬剤を使用しておけば間違いない!」というのは少し言いにくいね。
あくまでも参考程度だけど、個人的には「オンリーワンフロアブル」を使ったりすることが多いかなぁ。
【あくまでも薬剤散布の一例です。木の状態や周辺環境によって薬剤の選定は変更してください。】
【2022年の登録情報をもとにしたものです。薬剤散布をされる際は最新の農薬登録情報をご確認ください。】
なるほどな。
薬剤散布以外の対策とかあるんか?
そうだねぇ。
病原菌は発病し落葉した葉っぱ内部で越冬するんだ。
発病した葉っぱを放置していると翌年の感染源となるから、発病した葉っぱをきちんと処分(回収し捨てる・地面に埋めるなど)することも大切だね!
あとは落葉病は樹勢の弱った木で発病しやすいから、毎年感染被害を受けるようなら、肥料管理に気を使って、肥料切れが起きないようにしてみるのも大切だね。
なるほどな。
ざっくりこんな感じ!!
ということで今回はカキの重要病害「落葉病」についてご紹介しました!