第3章:エスパリエ仕立ての仕立て方
(植え付け1~2年目の枝管理)
エスパリエ仕立てはとってもシンプルだから、仕立て方も簡単!
エスパリエ仕立ての樹形イメージに沿って、枝を誘引するだけ!
あとは水やりと必要に応じて肥料をあげればOKだよ。
けっこうお手軽やな。
誘引とは植物の枝を支柱などに結びつけて固定することです。
誘引することで枝を伸ばしたい方向へと導き、植物の形を整えることができます。
放っておいても思った方向に枝は成長しません。誘引で枝を狙った場所へ導いてあげましょう。
「こまめに」・「無理なく」
誘引を行い、「無理のない範囲」で少しずつ誘引を進めるのが失敗しにくいコツです。
↓のように支柱を組んで、枝を水平誘引していくよ。

例えば↓の枝を・・・

こんな風に!

なるほどな。
こまめな誘引がポイント!
きちんと管理すれば、植え付け2年目にはこんな感じになるね!

ええ感じやん!
植えつけ2年目でほとんど樹形完成したんじゃないか?
そう!
これが【プランター栽培】×【エスパリエ仕立て】の売りでもあるんだ。
樹形完成が早く、コンパクトにまとまる、そして仕立て方が簡単。
お家でのリンゴ栽培にはうってつけじゃない?
せやな!
あとは【果実をならせる準備】と【樹形維持】の枝管理について押さえておけばOK!
まずは【ひこばえ】について説明するね。
ひこばえ?
株本から生えてくる枝のことだよ。
↓こんなやつ。

【ひこばえ】は養分の浪費になるから、気づいたらこまめに間引いていこう!

↓

あとは【夏季せん定】について話していくね。
一般的にせん定は冬に行う作業だけど、
エスパリエ仕立てでは冬ではなく、夏にせん定を行うよ。
具体的にはどんなことするん?
【夏季せん定】の作業自体はとてもシンプル!
1ページ目の【コラム】リンゴの着果習性で説明した話なんだけど、
リンゴは7月頃から今年伸びた枝の先端部分に花芽ができ始めるんだ。
※花芽は来年花をつける芽です。
つまり、
夏の時点で残していた枝の先端部分に来年花(果実)がつくから、
【来年果実をならせたい場所まで枝を切り返しておく。】
これが夏季せん定の目的だよ。
ちょっとイメージ分かんなぁ・・・

つまりこういうこと!↓↓

ここまでは分かるわ。
木の骨格から発生した枝の先端部分に来年花(果実)がつくんじゃろ?
でも、夏季せん定で枝を切り返したら、先端部分にでき始めた花芽が無くなるから、来年果実がならんのんじゃないか?
と思うでしょ?
ここで大事なのは、リンゴは7月頃から今年伸びた枝の先端部分に花芽が【でき始める】ってところ!
まだ、花芽になりきっていないから、夏季せん定で枝を切り返せば、切り返した場所が先端になり、その場所に花芽がつくってわけ!
なるほど!
じゃあ、夏季せん定で【木の骨格から発生した枝を来年果実がなってほしい場所で切り返せばOK】
ってことか。
そういうこと!
作業的にはこんな感じだね↓↓

↓

↓

なるほどなぁ。
あれじゃろ?
いつものように夏季せん定のポイントも教えてくれるんじゃろ?
もちろん!
夏季せん定のポイントは↓↓のとおり!
リンゴ エスパリエ仕立て 夏季せん定
●作業時期は8月
●木の骨格から発生した枝を葉っぱ3枚~4枚残しで切り返す
●切り返した枝から枝が再度伸び始めたら、9月に再度伸び始めた部分を葉っぱ1枚残しで切り返す。
シンプルでしょ?
これならワシでもできそうじゃ!
ありがとうなぁ!
最後に!
木の骨格をこれ以上大きくしたくない!ってときは希望の位置で切り返しておこう!
これで必要以上に木が大きくなるのをコントロール!

リンゴのエスパリエ仕立て(植え付け2年目)の夏季せん定
作業前後はこんな感じ!

↓

冬のせん定はないから、このまま植え付け3年目に突入するよ!