樹形の乱れた木の仕立て直しについて


今回は「樹形の乱れてしまった木の仕立て直し」について、開心自然形のカキを例に語っていくよ。

どうしようかなぁ・・・

おっちゃん、どうしたの?

前に教えてもらった仕立て方を参考に、家のカキをせん定しようと思ったんやけど、見本の木と実際の木では全然状況が違ってな。
どうしたら樹形が整うのか分からんのや・・・


なるほどね。
そういう時はまず、樹形を大きく乱す枝を見極め・間引いてみるとイメージが涌いてくるかもよ。
平行枝や三又枝、下垂枝とかいろいろあるけれど、この写真で気になるのは「内向枝」と「徒長枝」だね。
この2つ!


この2つの枝の何がいけんのや?

まず「内向枝」について説明すると、開心自然形では幹から外側に向かって木の骨格が伸びていくはずでしょ?




たしかに。

「内向枝」がいかに開心自然形の樹形を乱す枝がイメージできたかな?
木の骨格と反対方向に伸びているわけだからね。

じゃあ、次は「徒長枝」について説明しようか。
まずは↓の写真を見てほしいんだ。


左の放任樹の方はえらい上向きに枝が伸びとるな。
これじゃあ脚立も届かんわい。

これが徒長枝だよ。
木は元々上方向に強く伸びようとする性質があるからね。
その性質もあって、徒長枝は他の枝に回るはずだった養分も積極的に活用して強く太い枝に成長しちゃうんだ。
放っておくと、木の骨格よりも強い枝になって樹形が大きく乱すよ。

なるほど。

「内向枝」・「徒長枝」を間引いた前後写真を見比べてみようか。



たった2本の枝を間引いただけなのに、ずいぶん印象が変わったな。
後はわしでもできそうじゃ。
さっき見せてもらった開心自然形の模型と異なる骨格枝は、全部間引いちゃるわ!

おっちゃん、ちょい待ち!
樹形が乱れた木を仕立て直すときの大切な注意点を1つ教えるね。
「一度に直そうとしない、焦らず数年かけるイメージで」だよ。


なるほどなぁ。
荒れるのはすぐじゃが、直すのは大変ってことじゃな。
ひとまずは今回教えてもらった「内向枝」・「徒長枝」だけ間引いて、後は来年以降に少しずつ修正していこうか。

そういうこと!
「樹形を大きく乱す枝だから、どうしても今回切った方がいい枝」
「樹形を乱す枝だけど、しばらくは放置していてもなんとかなる枝」
を見極めて、段階的に間引いていくことが大切なんだ。

おかげで仕立て直しのイメージがついたわ。
ありがとうな!

ということで今回は、開心自然形のカキを例に、樹形の乱れてしまった木の仕立て直し」についてお話ししました。