ブドウ

シャインマスカット栽培【栽培ガイド】

yakumokaju

●薬剤散布については、病気対策の殺菌剤のみ紹介しています。必要に応じて殺虫剤を選び散布してください。

●薬剤散布は一例です。木の状態や周辺環境によって、薬剤は変更してください。

2022年での作業となります。薬剤散布をされる際は、最新の農薬登録情報をご確認ください

●作業時期は一例です。木の状態にあわせて、変更してください。

シャインマスカット露地栽培 重要病害についてはこちら!
ブドウ重要病害「黒とう病」 症状と対応策について
ブドウ重要病害「黒とう病」 症状と対応策について

この記事はYoutube「果樹栽培ch」と連動しています。

動画の方が作業の雰囲気は伝わりやすいかもしれません。

【シャインマスカット露地栽培】という再生リストにまとめています。

薬剤散布(1回目):春先(休眠期)

発芽前2月~3月にデランフロアブルを散布します。

シャインマスカットを露地栽培する場合、休眠期の薬剤散布はとても重要です

デランフロアブルで黒とう病対策をしっかり行うことで、春にいいスタートをきることができます。

※デランフロアブルは医薬用外劇物のため、インターネットでは購入できません。ホームセンターやJAにて取り寄せが必要です。

※取扱いには十分注意してください。

薬剤散布(2回目):4月下旬ごろ

シャインマスカットの露地栽培では、黒とう病対策が大切です。

葉っぱが出始めた展葉初期に、黒とう病対策を行います。

※やくも果樹研究所ではオンリーワンフロアブルを散布しています。

展葉初期のシャインマスカット

薬剤散布(3回目):5月上旬ごろ

葉っぱが5枚~6枚でてくる時期に、べと病・黒とう対策として、3回目の薬剤散布を行います。

※やくも果樹研究所ではドーシャスフロアブルを散布しています。

葉っぱが5~6枚の様子

薬剤散布(4回目)&誘引開始:5月中旬ごろ

葉っぱが9枚~10枚でてくる時期に、べと病・黒とう対策として、4回目の薬剤散布を行います。

ブドウの病気の多くは雨を媒介に伝搬します。

シャインマスカットの露地栽培の場合、袋掛けまでは薬効を途切れさせないよう、10日間隔くらいで様々な薬剤を散布していきます。

※やくも果樹研究所ではオーソサイド水和剤80を散布しています。

枝がある程度しっかりしてきたら、都度棚面に誘引していきましょう。

ブドウの枝は根元が脆いため、根元がしっかりしてくる、葉っぱ9~10枚の時期から、誘引を開始すると良いと思います。

※誘引は無理なく、少しずつ行いましょう。

誘引前

誘引後
棚面の様子

枝の誘引はテープナーがあると便利です!

(ほぼ)必須アイテムだと思います。

テープナーについて詳しくはこちら!
ブドウ栽培 誘引するならテープナー!
ブドウ栽培 誘引するならテープナー!

薬剤散布(5回目):5月下旬ごろ

5月下旬ごろ、開花前に5回目の薬剤散布を行います。

※やくも果樹研究所ではオーソサイド水和剤80を散布しています。

ストレプトマイシン処理:満開 14 日前~開花始期

シャインマスカットはジベレリン処理だけでは、種が入ってしまう可能性があります。

ストレプトマイシン処理で無核果率を上げましょう。

※感覚的な話になりますが、、ジベレリン処理だけの場合、無核化率90%前後(10個に1個くらい種が入る)だと思います。

ストレプトマイシン処理

無核化(種無し化)の補助処理として行われます。

ストレプトマイシン処理を行うことでほぼ100%の無核化(種無し化)が可能です

スプレーで花穂に噴霧

薬液の処理方法は「調整した薬液を房に浸ける・スプレー」など色々です。

↑の写真ではスプレーで噴霧しています。

花穂整形:花穂成長~開花まで

花穂が成長でてきたら、【花穂整形】を行いましょう。

花穂整形は房づくりの第一ステップです。

花穂整形で養分の浪費を抑えながら、房の形も整えていきます。

詳しくはこちら!
シャインマスカット栽培 房づくりの第一ステップ「花穂整形」
シャインマスカット栽培 房づくりの第一ステップ「花穂整形」

ジベレリン処理(1回目):6月上旬ごろ(満開~満開3日後)

ブドウの花が満開になったら、1回目のジベレリン処理を行います。

大切なのはタイミングです。

【満開~満開3日後】の適期にしっかり行いましょう。

ジベレリン処理(1回目)についてはこちら!
シャインマスカット栽培 意外と簡単!ジベレリン処理【1回目】
シャインマスカット栽培 意外と簡単!ジベレリン処理【1回目】

傘かけ:ジベレリン処理(1回目)後、可能な限り早く

ブドウ栽培では雨は大敵です。

可能ならジベレリン処理「1回目」の後に傘かけを行い、病気から房を守りましょう。

傘かけについてはこちら!
シャインマスカット 笠かけ作業
シャインマスカット 笠かけ作業

薬剤散布(6回目)6月上旬ごろ

梅雨入り前の薬剤散布。

袋掛けまでもう少しです。しっかり薬剤散布をしていきましょう。

※やくも果樹研究所ではジマンダイセン水和剤を散布しています。

摘粒・摘房:ジベレリン処理(1回目)後~

ジベレリン処理「1回目」後、1週間くらいすると粒が太ってきます。

このタイミングで

①摘粒:房の形を整える

②摘房:良くない房を間引く

ことが大切です。

詳しくはこちら!
シャインマスカット栽培 摘房・摘粒(1回目)
シャインマスカット栽培 摘房・摘粒(1回目)

ジベレリン処理(2回目:1回目のジベレリン処理から10日~15日後

1回目のジベレリン処理から2週間くらいすると、果粒が小豆くらいの大きさになってきます。

このタイミングで2回目のジベレリン処理を行い果粒肥大を促しましょう。

詳しくはこちら!
シャインマスカット栽培 ジベレリン処理 【2回目】
シャインマスカット栽培 ジベレリン処理 【2回目】

⑬薬剤散布(7回目):袋掛け直前

摘粒作業が完了次第、袋掛けを行いますが、袋掛け直前に必ず薬剤散布(殺菌剤+殺虫剤)を行います。

※房に病気・害虫が潜んでいた場合、袋の中に閉じ込めることになってしまうためです。

※やくも果樹研究所では【ジマンダイセン水和剤+アドマイヤーフロアブル】を散布しています。

アドマイヤーフロアブルは殺虫剤のため、取扱注意です。

アマゾンなどでは購入できないので、ホームセンターなどで取り寄せる必要があります。

⑭袋掛け:直前の薬剤散布が終わり次第すぐ

袋を房にかけて、病気や害虫から房を守りましょう!

ここまでくれば、収穫まであと少しです。

詳しくはこちら!
シャインマスカット栽培 摘粒(2回目)&袋掛け
シャインマスカット栽培 摘粒(2回目)&袋掛け

袋掛け後の薬剤散布:2~3週間おきに散布

袋掛けが終わった後も、定期的な薬剤散布を行います。

2~3週間おきにボルドーを散布しておけば、秋まで葉っぱを元気に保つことができます。

※やくも果樹研究所ではICボルドー66Dを散布しています。

インターネットには5㎏しかなかったけど、家庭果樹では5㎏は多いと思います。

1㎏をモノタロウ等で販売しているので、モノタロウで購入するか、ホームセンター等で取り寄せてもらうのもいいかもしれません。

仕上げ摘粒1回目のジベレリン処理から50-60日

ここまでくれば収穫まであと少しです。

必要に応じて、いくつか袋の中を確認し「仕上げ摘粒と房型の最終チェック」を行います。

詳しくはこちら!
シャインマスカット栽培 房形最終チェックと仕上げ摘粒
シャインマスカット栽培 房形最終チェックと仕上げ摘粒

⑰糖度チェック&収穫:収穫適期になったら

いよいよ収穫です。

シャインマスカットは着色しないため、色では収穫適期が分かりません。

糖度チェックを行ってから収穫するとさらに良いでしょう。

※一つの基準として1回目のジベレリン処理から95日~100日後とされます。

詳しくはこちら!
シャインマスカット栽培 収穫時期の見極め(糖度チェック) 
シャインマスカット栽培 収穫時期の見極め(糖度チェック) 

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やくも果樹研究所 所長(中の人)
やくも果樹研究所 所長(中の人)
元果樹専門 農業技師
根域制限栽培を中心に研究中。

農業技師時代の専門はカキ・イチジク・ブドウ
好きな果物はキウイ・洋ナシ
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