シャインマスカット栽培【栽培ガイド】

シャインマスカットには様々な仕立て方・栽培方法があります。
この記事では「雨の当たる露地栽培」・「平棚(W)H型整枝」でのシャインマスカットを例に、栽培管理についてまとめて紹介します。
作業がたくさんありますが、1つ1つの作業はシンプルです。
- 薬剤散布(1回目):春先(休眠期)
- 薬剤散布(2回目):4月下旬ごろ
- 薬剤散布(3回目):5月上旬ごろ
- 薬剤散布(4回目)&誘引開始:5月中旬ごろ
- 薬剤散布(5回目):5月下旬ごろ
- ストレプトマイシン処理:満開 14 日前~開花始期
- 花穂整形:花穂成長~開花まで
- ジベレリン処理(1回目):6月上旬ごろ(満開~満開3日後)
- 傘かけ:ジベレリン処理(1回目)後、可能な限り早く
- 薬剤散布(6回目):6月上旬ごろ
- 摘粒・摘房:ジベレリン処理(1回目後)~
- ジベレリン処理(2回目):1回目のジベレリン処理から10日~15日後
- 薬剤散布(7回目):袋掛け直前
- 袋掛け:直前の薬剤散布が終わり次第すぐ
- 袋掛け後の薬剤散布:2~3週間おきに散布
- 仕上げ摘粒:1回目のジベレリン処理から50-60日後
- 糖度チェック&収穫:収穫適期になったら


①薬剤散布(1回目):春先(休眠期)
発芽前2月~3月にデランフロアブルを散布します。
シャインマスカットを露地栽培する場合、休眠期の薬剤散布はとても重要です
デランフロアブルで黒とう病対策をしっかり行うことで、春にいいスタートをきることができます。
②薬剤散布(2回目):4月下旬ごろ
シャインマスカットの露地栽培では、黒とう病対策が大切です。
葉っぱが出始めた展葉初期に、黒とう病対策を行います。
※やくも果樹研究所ではオンリーワンフロアブルを散布しています。

③薬剤散布(3回目):5月上旬ごろ
葉っぱが5枚~6枚でてくる時期に、べと病・黒とう対策として、3回目の薬剤散布を行います。
※やくも果樹研究所ではドーシャスフロアブルを散布しています。

④薬剤散布(4回目)&誘引開始:5月中旬ごろ
葉っぱが9枚~10枚でてくる時期に、べと病・黒とう対策として、4回目の薬剤散布を行います。
ブドウの病気の多くは雨を媒介に伝搬します。
シャインマスカットの露地栽培の場合、袋掛けまでは薬効を途切れさせないよう、10日間隔くらいで様々な薬剤を散布していきます。
※やくも果樹研究所ではオーソサイド水和剤80を散布しています。
枝がある程度しっかりしてきたら、都度棚面に誘引していきましょう。
ブドウの枝は根元が脆いため、根元がしっかりしてくる、葉っぱ9~10枚の時期から、誘引を開始すると良いと思います。
※誘引は無理なく、少しずつ行いましょう。




枝の誘引はテープナーがあると便利です!
(ほぼ)必須アイテムだと思います。

⑤薬剤散布(5回目):5月下旬ごろ
5月下旬ごろ、開花前に5回目の薬剤散布を行います。
※やくも果樹研究所ではオーソサイド水和剤80を散布しています。

⑥ストレプトマイシン処理:満開 14 日前~開花始期
シャインマスカットはジベレリン処理だけでは、種が入ってしまう可能性があります。
ストレプトマイシン処理で無核果率を上げましょう。
※感覚的な話になりますが、、ジベレリン処理だけの場合、無核化率90%前後(10個に1個くらい種が入る)だと思います。



薬液の処理方法は「調整した薬液を房に浸ける・スプレー」など色々です。
↑の写真ではスプレーで噴霧しています。
⑦花穂整形:花穂成長~開花まで
花穂が成長でてきたら、【花穂整形】を行いましょう。
花穂整形は房づくりの第一ステップです。
花穂整形で養分の浪費を抑えながら、房の形も整えていきます。



⑧ジベレリン処理(1回目):6月上旬ごろ(満開~満開3日後)
ブドウの花が満開になったら、1回目のジベレリン処理を行います。
大切なのはタイミングです。
【満開~満開3日後】の適期にしっかり行いましょう。



⑨傘かけ:ジベレリン処理(1回目)後、可能な限り早く
ブドウ栽培では雨は大敵です。
可能ならジベレリン処理「1回目」の後に傘かけを行い、病気から房を守りましょう。



⑩薬剤散布(6回目):6月上旬ごろ
梅雨入り前の薬剤散布。
袋掛けまでもう少しです。しっかり薬剤散布をしていきましょう。
※やくも果樹研究所ではジマンダイセン水和剤を散布しています。

⑪摘粒・摘房:ジベレリン処理(1回目)後~
ジベレリン処理「1回目」後、1週間くらいすると粒が太ってきます。
このタイミングで、
①摘粒:房の形を整える
②摘房:良くない房を間引く
ことが大切です。



⑫ジベレリン処理(2回目):1回目のジベレリン処理から10日~15日後
1回目のジベレリン処理から2週間くらいすると、果粒が小豆くらいの大きさになってきます。
このタイミングで2回目のジベレリン処理を行い果粒肥大を促しましょう。



⑬薬剤散布(7回目):袋掛け直前
摘粒作業が完了次第、袋掛けを行いますが、袋掛け直前に必ず薬剤散布(殺菌剤+殺虫剤)を行います。
※房に病気・害虫が潜んでいた場合、袋の中に閉じ込めることになってしまうためです。
※やくも果樹研究所では【ジマンダイセン水和剤+アドマイヤーフロアブル】を散布しています。

⑭袋掛け:直前の薬剤散布が終わり次第すぐ
袋を房にかけて、病気や害虫から房を守りましょう!
ここまでくれば、収穫まであと少しです。



⑮袋掛け後の薬剤散布:2~3週間おきに散布
袋掛けが終わった後も、定期的な薬剤散布を行います。
2~3週間おきにボルドーを散布しておけば、秋まで葉っぱを元気に保つことができます。
※やくも果樹研究所ではICボルドー66Dを散布しています。


インターネットには5㎏しかなかったけど、家庭果樹では5㎏は多いと思います。
1㎏をモノタロウ等で販売しているので、モノタロウで購入するか、ホームセンター等で取り寄せてもらうのもいいかもしれません。
⑯仕上げ摘粒:1回目のジベレリン処理から50-60日後
ここまでくれば収穫まであと少しです。
必要に応じて、いくつか袋の中を確認し「仕上げ摘粒と房型の最終チェック」を行います。



⑰糖度チェック&収穫:収穫適期になったら
いよいよ収穫です。
シャインマスカットは着色しないため、色では収穫適期が分かりません。
糖度チェックを行ってから収穫するとさらに良いでしょう。
※一つの基準として1回目のジベレリン処理から95日~100日後とされます。



その他のブドウ栽培ガイド
ブドウ栽培に関する、その他の栽培ガイドも作っています。
ぜひ、他の栽培ガイドをご覧ください!
栽培のポイントを細かくまとめています!




ここまで読んでくれた方に、
最後におススメの書籍&おススメアイテムをご紹介!
【NHK趣味の園芸シリーズ】と【育てて楽しむシリーズ】を一緒に買えば、家庭ブドウ栽培ではほぼ困らないと思います!
初心者には
●ブドウ (NHK趣味の園芸12か月栽培ナビ)がおススメです。
より情報量が欲しいなら、
●ブドウ栽培・利用加工 (育てて楽しむ)もおススメです。

おススメアイテムはこちら↓↓からどうぞ!
