【黒イチジク ビオレ・ソリエス 収量確保のための栽培実証】

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研究背景

現在、日本では「蓬莱柿(ほうらいし)」・「桝井ドーフィン」の2品種が市場流通の主要品種です。イチジクで上記2品種以外を市場で見かけることはほとんどありません。

やくも果樹研究所では黒イチジク「ビオレ・ソリエス」に着目しています。

「ビオレ・ソリエス」の特徴として

・高い糖度

ほのかな酸味

・華やかな見た目(深い紫色の果皮

が挙げられ、今までイチジクに触れることのなかった方へも、積極的にPRできる品種であると考えています。

しかし、「ビオレ・ソリエス」は栽培技術が確立されておらず、収穫量が極めて少ないことから、生産者は決して多くありません。

そこで、「ビオレ・ソリエス」の収量確保のための栽培実証を行うこととしました。

試験内容

各生育ステージの細かな栽培技術ではなく、仕立て方にスポットを当てて試験を行います。

イチジクの仕立て形には「開心自然形」・「一文字整枝」・「平棚H形整枝」等があり、各仕立て方にはそれぞれのメリット・デメリットがあります

 イチジクは品種が持つ樹勢の強さに応じて、仕立て方がある程度決まっています。

例えば、主要品種では

「蓬莱柿(ほうらいし)」:樹勢が強いため、開心自然形

「桝井(ますい)ドーフィン」:樹勢が落ち着いているため、作業性を重視し一文字整枝。

で栽培されることがほとんどです。

特に桝井ドーフィンでの一文字整枝は、作業性が優れることもあり、市場流通の大部分を占めています

問題となるのは、

・イチジクの多くの品種は樹勢が強いこと

・樹勢が強い品種での省力的な栽培方法があまり確立されていないこと 

「ビオレ・ソリエス」は「蓬莱柿(ほうらいし)」よりも樹勢が強く、収穫量が安定しません。

そこで、強樹勢である「蓬莱柿(ほうらいし)」で取り組みが始まっている「平棚H形整枝」の栽培適正を実証します。

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