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【イチジク栽培】 挿し木で無理せず苗木づくり!!

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今回は「挿し木」を活用した「1本の枝から苗木を作る技術」についてご紹介!!

※種苗法により登録品種を挿し木などで増殖し、有償無償にかかわらず譲渡すること等は禁止されています。

近所のおっちゃん

「挿し木」ってなに?

ざっくり言うと、

「新鮮な枝を土に挿して、枝のクローンを作成する」こと

難しい理屈は置いておいて、増やしたい品種の枝を土に挿して適切に管理すると、枝の増殖を行うことができるんだ。

苗木づくりにも活用されている技術だよ。

「挿し木の理屈」


挿し木の場合、新鮮な切り口を用意します。

その切り口の形成層(維管束の木部と師部との境にある分裂組織)にできるカルス(分化していない状態の植物細胞の塊)に根源基(根の細胞になる基)が形成され発根します。

発根した枝は1個体として生育します。

挿した枝の細胞から新たに根が分化し1本の木となるため、初歩的なクローン技術と言えます。


イチジク 挿し木の作成方法(簡易版)

イチジクは果樹の中でも特に挿し木が簡単な品目です。

イチジクの繁殖法には「挿し木」・「接ぎ木」・「取り木」などがありますが、その簡便さから一般的に「挿し木」が用いられます。

ざっくり言うと、せん定時の余った枝を土に挿すだけ!

こちらの動画を見てもらえるとイメージしやすいかも。

イチジクの挿し木はとてもお手軽です。

イチジクは発根性が強いため、せん定のときに発生した切り枝を畑に置いておくと、勝手に発根し根付くこともあるほどです。

ちなみに教科書的な説明をすると・・・

穂木採取時期:2月中旬~3月上旬

※採取した穂木は乾燥しすぎないように、わずかに湿らせた新聞紙にくるみ、ビニール袋に入れ冷蔵庫に保存する。


挿し木時期:2月下旬~3月上旬

なんだけど、家庭果樹であれば「2月下旬~3月上旬にせん定をして、余った枝をポット鉢に挿す」ぐらいの気軽さで大丈夫。

慣れてきたり、もっとしっかり苗木を作りたい!!って場合はしっかり準備を行おう!!

凍害の危険がある寒地では挿し木時期は3月中下旬としましょう。

写真でも手順を紹介するね。

まずは新鮮なしっかりした枝を準備します。

挿し木する枝を1~2芽残しでせん定します。

培養土を入れたポリ鉢に挿しこみます(枝の差し込む向きが上下逆にならないよう注意)

切り口保護のため、木工用ボンドまたはトップジンMペーストを塗ります。

水をたっぷりあげれば作業完了です。

ちなみに、挿し木後、特別な管理をしなくても下の写真くらいには成長します。

左)挿し木1年後  右)挿し木直後

挿し木後の管理

イチジクは発根率が高いので、挿し木の成功率は高いよ。

注意するべきは発芽後の管理!!

発芽したからと言って油断してはいけません。

発芽時は枝に残った貯蔵養分が使用されているだけです。

穂木の切り口に発生したカルスから発根が始まるまでしっかり管理を行います。

挿し木後の管理はほとんど水やりです。

ステージごとの水管理は下記のとおりです。

①挿し木後、発芽~展葉開始

:ポットの土が乾いたら、都度水やり。


②展葉後、成長が一度止まる

※ここまでの成長は枝の貯蔵養分により行われる。

:成長が止まるまではこまめな水やり。

成長が止まったら発根促進に必要な酸素供給のため、少しだけ水やりを控えめに。


③止まっていた成長が再スタート

※カルスから発根開始、

:「ポット表土が乾いたらたっぷり」を基準に水やり